エピローグ②
「――だから、ワルダーくんの消息は私も知らないってば。
そもそも、なんでそんなに彼を探してるの? そんな仲良かったっけ?」
「それはですね……地獄を見せてやるためですよ……」
「こ、こわぁ…………ダークフォルトの血全開じゃん……」
「ああ!?!?!?」
ナチュラルに血統差別をされ、不快な気分になりながら俺は学園長室を出る。
……依然、奴の情報はない。
もしかしたら教会に消されているかもしれない。
あるいは、本当はアンブレラが手を下しているか。
もっと穏当にいくなら、実家で匿われてるとかだろうか。
まあ、そこらへんは闇の中だ。
……そもそもの話、なんで俺とセロくんが狙われてるのか未だによく分からないんだよな。
たぶん、アンブレラが治癒魔法を教え始めたのが口火になったとは思うが……そこらへんの政治軍事的パワーバランスはまったく分からん。
俺とセロくんの戦闘能力を決闘イベントで測ろうとしていた時点で、そういう事情も無関係ではないんだろうけど。
……そうなってくると、アンブレラに神聖魔法とワルダーくんのことを言っておいたほうが良かっただろうか。
だが、ワルダー暗殺会議なんてものを開いてはいるものの、別に本当に死んで欲しいわけじゃない。
せいぜい、五百日くらい同じ一日をループしてほしいくらいだ。
そんなわけで、アンブレラには一連の騒動を報告してないが……。
“稀代の魔女”様のことだ。隠しているだけで、実はとうに把握していそうな気もする。
まあ、次に同じことが起きそうなら報告しよう。
……あの実利優先主義には、情報提供の代わりに守ってもらうみたいなムーブも必要になりそうだし。
……まったく。
そのことをつくづく学んだ数週間+αだった。
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