そして、クラッカーは鳴り響く。




 ――世界が崩壊していく。




 そこにはもう、倒れているセロくんはいない。それを見つめる満足そうな観客たちもいない。


 今まで立っていた訓練場もない。


 というかもう、世界というものが、すでにない。

 

 

 



 さて、と。

 

 ここから戻って……現実ではどれくらい経っていることにしようかな。


  

  

 まあ……一年以上なんて経ってるわけないよな。

 もちろん、一ヶ月とかでもない。



 一日? いやいや、とんでもないことですよ。



 まあ、たぶん十分とか五分だろうな。な? ……よし。



 

 そんでもってほら、あれだよね。

 ワルダーくんが神聖魔法がいつ効果を発揮したのかも……俺が決めちゃおうかな。




 いいか?

 いいよね?

 もしかしたらそれは、ワルダーくんが使ったときより前かもしれないけどさ。



 

 そこはほら、いいじゃん。

 そういう矛盾は目を瞑ってくれるよね? ね? ……よし。



 

 というわけで、現実世界に戻ったときの時間は俺が全部決めちゃうってことで。

 いいよね? ね? ……よし。





 じゃあ、そうだな……。

 それは、――。

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