第292話 準備

 敵の動きの連絡を受けてからすぐに行動に移した。補給部隊は得意のトラップを仕掛けに回りドワーフの一部も補助に回っている。他の者達は獣人達にこのことを伝え被害が出ないように避難を呼びかけていく。


「こちらでも避難区域は、作ってあるがなるべく動ける者はここから離れるようにしてもらいたい。動けない者は避難区域に向かってくれ」


 ひとまず戦闘が起きる前に出来ることはしておかなければならない、避難に目処がついたら次はこちらの戦闘準備だ。


「ディス頼んでおいた物は使えそうか?」


「そうですね、一発だけなら全力でいけると思います。その分威力は自信あるです」


 ディスがここまで自信持ってるなら期待してもいいだろう、今回は敵が敵なだけに遠慮して負けるわけにはいかない。最悪街がボロボロになったら更によい街の復興に手を貸そう。


「他には同じ原理の小型の大量生産したので遠距離戦はバッチリです」


 さすがディス俺はディスに色々頼んでいたから小型のやつは魔石を利用したマシンガンタイプの魔道具だろう。魔石の属性によって様々な属性のダメージを与えることが出来るだろう。これに関しては近距離戦が出来ない者になるべく渡そう。


「ヴィオラには頼んだのは出来たかな?」


「……出来たけどこれは使わないほうがいい、効果が強すぎて使った後が保証出来ない」


「わかってる、これはどうしてもやばくなった時だけだ。使わないに越したことはないからな、そのために今日までみんな頑張ってくれたんだから」


「私は、医療部隊に渡す薬を作り続ける。だから怪我したらちゃんと治療して」


「助かる、けが人はどのくらいでてしまうか正直予想出来ないからヴィオラの手でたくさん助けてやってくれ」


 ヴィオラは駆け足で戻っていく。


「ナイト様ついに姉が動き出したんですね?」


 マリアがそばに駆け寄り少し震えた指で腕を掴んでくる。ティナも光の聖女のプレッシャーもあるのだろう。


「大丈夫だ、みんながいるから不安になる必要はない、マリアとのコンビネーションも仕上がってきてるみたいだし」


「はい、ですがどうしても不安が拭えないんです。強くなれば強くなるほど姉の強さが見えなくなって」


「見えない強さは確かに怖いが、自分でみてとれる今まで鍛えてきた強さだけは否定したらダメだ、確実に強くなっているのは俺が知っている。否定するってことは俺を否定すると同じなんだから、そんな悲しいことを言わないでくれ」


「ふふっ分かりました。私は確実に強くなりました、姉に絶対まけません。そうでしょ?マリア」


 ティナが振り向いた先には隠れるようにこちらを見ていたマリアがいた。


「マリアそんなとこいないでこっちに来てくれるか?」


「私、……お邪魔じゃないですか?」


 不安気な目で下からこちらを覗いてくる


「邪魔なわけあるか、マリアもそばにいてくれないと困るんだ。ティナと一緒に戦ってくれてありがとう、2人が一緒に戦ってくれるから背中を任せることが出来る。逆に2人の背中は俺が守ってみせるから」


「それなら安心ですね、必ず勝ってお母様を救って3人の挙式を盛大にやりましょう」



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