第293話 さよなら

 今目の前にあるのはただただ絶望が俺たちの前に形として現れたのだろう。

 俺たちの街を守ろうと意気込んで防衛部隊に参加したが素直に避難したほうが良かったのかもをしれない。


 目に見えるのはダンジョンでも奥の方でしか見ないような強いモンスター達が群れになって普段ではあり得ない集団行動をしているのだ。

 たった一体でもパーティで倒すのにそれが数え切れない程並んでいていまかいまかと息を荒くしている、そのモンスターの中から三人の人影が見える。


「ティナよく逃げなかったわね、どうかしら?あなたをかわいがってあげたくてこれだけの子を連れてきたわ」


「お姉様よっぽどこちらが怖いってことの表れでしょうか?私は逃げも隠れもしません、光の聖女としての役割を果たすだけです」


「私が怖いですって?一体何を言っているのかしら?この子たちは私に惹かれてついてきたのよ。あなたを怖がる必要なんて全くないわ」


「そうですか、それではお互いここからは己の信念をもって納得するまで戦い切りましょう。私はお姉様達を倒して未来を手に入れてみせます」


「ええ私もあなたを蹂躙してこの世界を誰もが素直に歩ける世界にしてあげるわ、世界はもっと混沌に満ち溢れているものなのよ。さー行きなさい、ここでは手を出さないであげる。最後の姉の優しさだと思いなさい」


「ええ、さようならお姉様、私が家族として救いを与えてあげます」


 私は振り向くことをせずみんなのとこに戻る。ここからは一瞬一瞬が気を抜くことは出来ない、私のターゲットはお姉様、先ほども隙があればと観察していたが全く無かった。だけどマリアと2人でなら突破口は開けるはず、いえ開いてみせると意気込んでいると手を誰かに握られる。


「ティナ様良かったのですか?あれが最後の会話になるかもしれないのですよ?」


「マリアありがとう、でもいいのあれで。あの人のことを私が許したとしても犠牲になった人がたくさんいるからきっとたたではすまない。だからせめて私が……」


「ティナ様だけにその罪を背負わせたりしません、一緒に背負わせてください」


「ごめんね、ありがとう。マリアと一緒になら乗り越えれるわ。さっまずはあのモンスターの群れを片付けましょう」




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