第290話新たな属性
傷の治療も終え一段落するとまずはお互いの反省会が始まった。補給部隊の方はさらなるトラップと効率のよいやり方を考えつつドワーフの方は
「我らも罠とは言わないが、土と火の属性を使える者は多数いるんだ、これを活かせないのはもったいないのでは?あちらは土属性を活かしてここまで我らを追い詰めたのだ。悔しいがそこから学ばなければ新たな強さは手に入らないだろう」
多くの者が顔に悔しさを滲み出している、そこでまず俺から助け舟を出すことにする。
「失礼します。皆様は土属性が得意な方が多いと聞きましたが、補給部隊の方が使う魔法は自分が教えた物がありますので良ければ教えますが?」
その言葉に何人かは不審がるがその中から代表して一人が出てきた。
「それは一体どのようなものか教えてもらっていいですか?私はこの戦いで負けたのが悔しい、だからこそ使えるものは何でも使って強さを手に入れたいと考えている」
「悔しく思えることはいいことだと思います。俺だってみなさんの力を利用しようとしていますので俺なんかで良ければ利用してください」
「ふむ、その言葉信じよう。我々はさらなる力が必要だ。よろしく頼む」
俺は、さっそくブロックの理屈を教えていく。1時間もしないうちにコツをつかみ使えていけるものが増えた。そして、そこから応用を教えていくがもう一つ試しに教えたいものがあったので一緒にやれそうな者を探してみる。
「この中で火属性も同時に使える物はいますか?」
「少しだが使えるがどうかしたのか?」
俺は、さっそく名乗りをあげた人を呼び新たな属性魔法にチャレンジしてみる。
「今から試すのは新たな属性魔法ですので上手くいくかは分かりませんがいいですか?」
「試さなければ分からないがそれが使えると判断出来るならぜひ使わせて欲しい」
俺は土属性魔法で土をサラサラにしてそれを火属性でどんどん加熱していく。だんだん砂は赤くなり煙を出していくが俺が望んでいるのはさらに先だ。少しすると砂がドロっとし始めて沸騰したかのようにボコボコいい始める。これだ、俺が考えた状態はこの状態を維持して更に操るようにすることで完成する。
「これは一体なんなんだ?鍛冶をしているときの溶けた鉄みたいだが?」
「これはですね、火山で流れる溶岩を再現した魔法です。見て分かるように熱さもさることながら粘着性もある、更にこれを水などで冷やすと固まる性質があります」
「ほう、色々使いようがありそうだな。まー実戦以外で使うのはやばそうだが敵相手ならば遠慮することはあるまい」
「そうですね、一応新たな属性としての足がかりは出来たので良ければ利用してください」
「ありがたく使わせてもらおう。足がかりができた以上私が完成させてみせる」
「期待しています。俺も使えるように頑張りますが他にも試したいのがありますので」
「まったく君は末恐ろしいな、まだまだ隠し球があるというのだから」
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