第289話強者とは
その光景はまさに圧倒的としか言えなかった、今目の前で立っているのは補給部隊のみで怪我という怪我もなく逆に倒れているのはドワーフの部隊で見た目は屈強な戦士達ばかりなんだがみな土を舐め悔しそうな顔をしながら目の前にいる補給部隊を睨むだけだった。
「まさか、ここまで戦力が違うとは驚きだな」
「ナイト殿これは戦力とはまた違いますね、彼らと真正面からぶつかれば我々はなすすべなく今の状態は逆になっていたでしょう。ですが、我々は戦略を磨いてきました、悪くいえば何でもありの戦いなら我らとて相手がいかに強かろうと勝つことが出来るのです」とボーナス隊長は胸を張り語った。
彼らは戦いが決まるとすぐに戦略部隊と実行部隊に分かれ現地にすぐ向かい話し合いを詰めていく。話し合いをすると、彼らは広い範囲で穴を掘っていき薄い板を並べ穴が分からないように工夫していく。その穴の中にも水たまりや麻痺毒を混ぜた水たまりなどを作成していく。これだけでなく陣地の手前まで罠のオンパレードにしていく。
「穴掘りはともかく罠の種類がえげつないな、よくここまで考えたものだ」
「罠の数はそれだけ色々なモンスターと戦って来たのだと思ってください、なるべく傷をつけず素早く倒すために色々工夫をしていったのです彼らは」
あ〜食べる部分を減らさないようにする戦いの極地がこの結果なのだろう。ドワーフ達の彼らには可哀想だがボーナス隊長の戦略より彼らの飽くなき食欲に負けてしまったんだと感じてしまう。
ボーナス隊長の話を聞いている間にティナによるエリアヒールでドワーフ達を回復させて歩ける程度に戻していく。
「お前達今回の戦いでなにを感じた?彼らを卑怯だと思ったものはいるか?」
ナーゼの質問に何人かが反応してそれに呼応して補給部隊は卑怯者の集まりだと罵ってくる者も現れる。
「確かに、彼らの戦いは卑怯だと言うものの言い分理解できる、私も見た時に感じたからな。だが戦いとは結局は勝ったものが正義なのだ、彼らは最弱と言われ続けてきたがあらゆるモンスターと戦い、戦略を練り狩っては更に己を磨き上げ今の強さを手に入れたのだ。なら我らも彼らのように己を磨き上げれば良いだけではないか?お前らは一度の敗北で諦めるような弱者の集まりなのか?戦いとは最後に立っていたもの達の勝利ではないのか?私はお前達が立ち上がり勝てると信じている。お前達は過ちを犯した私に付いてきてくれた勇敢な戦士達だ、だから私を信じてくれた者を私も信じよう。さー立ち上がれ強者よ、お前達が倒れるのはこんな場所ではないことを私に見せてくれ」
「「ウォ〜!!そうだ俺たち強い、こんな罠など蹴散らしてナーゼ様に勝利を捧げるぞー」」
ナーゼの言葉により闘志を燃やしたドワーフの兵達がここに蘇った
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