第280話将来

 時は少し戻りティナ達が浴室に向かい脱衣部屋に入った瞬間うわ~とみんなが驚きの声をあげる。


「ここっていわゆる服を脱ぐところよね?こんなに広いなんてナイトはなにを考えてるの?しかもこんな鮮明に姿を映す姿見とか見たことないし」


 リザは魔道具師としての血が騒ぐのか色々見て回る、その後ろにはディスもついていた。


「まーナイト様ですし深く考えると逆に疲れちゃいますよ?」


 マリアは諦めに似た溜息をつきながら服を脱ぎながらキレイに畳んでカゴに入れていくと後ろから不穏な影が現れマリアを後ろから羽交い締めする。


 マリアはキャ〜と大声を上げるがその声に遠慮することなくティナが胸を鷲掴みする。


「マリアさんもしかしてまた育ってませんか?最近なんか薄々思っていたんですが」


「ティっティナ様ちょっやめてくださーい、リザさんも離して〜」


 しばらくもみくちゃにされた後解放されたマリアは、すみっコでちいさくなりいじけてしまった。


「マリアお姉ちゃん羨ましいです。ディスはいつになったら成長するです?まだまだぺったんです」


「大丈夫だよ、ディスちゃんちゃんと食べてしっかり寝たら育つからね」


 食べて寝ても変わらないんですけどーと後ろの方でガヤガヤと一部騒ぐ声がするが気にしたら負けだと考えマリアはディスを連れて脱衣場を後にして浴室に入ると固まってしまう。


「一体ナイト様の頭の中はどうなってるんでしょうか?見れるなら見てみたいものですね」


脱衣場を抜けた先にあったのは各種さまざまなバラエティ感を感じさせる作りのものだった。熱めから温めの温度があったりボタンを押すことでジャグジーになったり砂風呂やサウナまであった。


 見たことないものがたくさんあるし、みんなで1個ずつ見ていきましょうとリザからの提案に頷き順に回っていくことになった。


「は〜このくらいの温度が私にはぴったりね、ちょっと熱いほうがさっぱり出来るわ」リザは熱めの風呂でマッタリして逆にディスは


「はふーディスはこっちのがぴったりですね、いくらでも入っていられます」と温めの風呂でマッタリ

していた。


「ねーねーこっちの砂風呂?ってやつ気になる、だれかやらない?」ヴィオラが珍しく自分から問いかけてきた


「えーなになに、この砂風呂は適度に温められた砂を身に纏うことで発汗性を上げ新陳代謝を上げることによりふむとにかくキレイになるってことね」


「でしたら私が挑戦いたしますわ、ナイト様の為にもっとキレイに」


「じゃーそこに横になってみんなで砂をかけるから」


 みんなに砂をかけられどんどん体が砂に埋まっていきまたたく間に顔だけが出ている状態になったティナだった。


「確かに程よい暖かさの砂ですね、全身が温まりますが身動き出来ないのが辛いですね」


 その言葉を聞いた瞬間みんなの目が変わった気がした。


「ティナお姉ちゃん、ディスはティナお姉ちゃんの願いを叶えるです。任せてください」


 ディスはさっそくティナにかけてある砂を見つめながら手を伸ばし何かを始めた。それを見た他のみんなもディスのやっていることを理解して協力しだした。

 そうして、完成した物はティナのスタイルを砂で描いたものだった。一部がいつもより盛り上がっていたが。


「これならマリアお姉ちゃん以上のデカさです。早くディスもおっぱい欲しいです」


「ちょっとみんな何してるんですか、んっ重くて動けない、なんか一部凄い盛り上がっるように見えるんですけど」


「大丈夫、ティナの将来をみんなで描いただけだから、頑張ってキレイになろうね。私も次はパイパイデカくなーるとか挑戦してみる」


「そんなのしなくてもいいですからー」と今日一番のティナの声が、響いた。

 

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