第278話家族
「ティナ様ご無事で何よりです。先程いたのは第一王女でよろしかったですか?それとあの者を連れ去ったのは第二王女だったような」
「はい、その通りです。詳しいことは後でお話させてもらえたら」
「どうやら、先程の2人の間でなにかあったようですね。場所はこちらで用意しますのでどうぞあちらへ」
ユリウスの案内により騒ぎの中心から抜け出して移動を始める。
移動を始めるとディスがティナの裾をその小さな手で弱々しくながらもしっかり握っていてそれに気づいたティナは立ち止まり優しい声で話しかけた。
「んっどうしました?ディスちゃんなんかありましたか?」
「んっ……えっとあのさっきはありがとうです。ディス嬉しかったです、家族と言ってくれて嬉しかったです。ディスにもおじいちゃんとかいっぱい家族はいるけどティナ様みたいなお姉ちゃん出来るのは嬉しいです」
「私もそう言ってもらえて嬉しいです。ディスちゃんは私の大切な妹です。もちろんマリアもだし、リザやヴィオラさんはお姉ちゃんだと思ってます」
その言葉を聞いてそばにいたみんながティナに駆け寄り抱き合いながら笑顔を輝かせている。さっきまで争いの場にいたのが嘘のようだ。
「あー楽しい雰囲気の所悪いが詳しい話を聞きたいしそろそろ移動を再開していいか?」
ちょっと恥ずかしそうにしながらみんなで移動を再開する。そしてユリウスの案内の元たどり着いたのは先日出来上がったばかりの秘密基地にある一つの部屋だった。
「は〜これはまたやらかしてますね、先日はこれを作っていたんですね、うちの拠点とはまた違ってなんというか機能美というか無駄がなくて自然の美しさが際立っているというか」
リザが部屋を見ながらボソッと呟く
「そうだな、うちの拠点とは違うこだわりを持って作った渾身の作だからな。他にも色々こだわりを詰め込んでるからユリウスがよければ見てみるといいよ」
「もちろんいいぞ、これだけの物を作ってもらったんだ。おれもまだ知らないこだわりがあるならぜひ教えて欲しいくらいだが、その前にさっきの騒動で埃まみれだろう?おれも作ってもらって気に入った浴室があるんだ、広いから女連中全員が入っても余裕だろう」
「ナイト様特製の浴室ですか?それは凄い気になります。ぜひ入りたいです、それにティナ様と家族の付き合いとしてお話をゆっくりしてみたかったですし」
「はい、私も色々ゆっくり話してみたいです。みんなで入りましょう」
「その間ナイトは俺と軽く
「ナイト様も一緒に入るですか?ディスがナイト様洗ってあげるですよ」
ディスがとんでもないことを言ってくるがそんな一緒に入るなんてバカなこと……いや、ティナとマリアとは……いやいや、それとこれとは別の話だ。
「ディス今日は女の子だけで入ってきな、機会があれば一緒に入るから。俺はユリウスと話したいこともあるし」
「うー分かったです、約束ですよ」
ディスは寂しそうな顔をするが、リザが手を取り一緒に浴室へ向かっていく。
「ディスちゃんにまで手を出したらダメですからね、もし体力が余ってるなら私とマリアに話してください」とすれ違いざまにティナが告げてきた。
それが聞こえたのかマリアが顔を赤くしながら足早にティナを連れて浴室へ引きずっていった。
「本当仲がいいわね。ナイトは若いから大丈夫だと思うけど最近私も新薬使ったから試してみる?タタナクナールの派生でカタクナールって言うんだけど」ボソッとヴィオラが呟いてきた。
「………大丈夫だから、早くみんなと行ってー」
ユリウスとの肉体での話し合いのまえに一気に疲れてしまった。
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