第270話三馬鹿の末路3
流石に騒ぎが大きく成りすぎてしまったのか周りに野次馬が出来てしまいこちらにたくさんの視線が集まってしまう。
「おい、一体何事だ。こんな人混みを作って、くそっほらほらどいたどいた」
衛兵が事情を聞くために人混みを分けてこちらに来た。
「んっそこで倒れているのはフォクシーか?一体なにがあったんだ?それにいつもの連れが二人と、女が三人か、まさかフォクシーお前この中の誰かにやられたっていうのか?最近のお前はツイてないな、そろそろ引退か」
「そうですね、彼には引退をしてもらいましようか?こう何度も騒がれては色々迷惑ですし」
その声は、人混みの中から聞こえてきて正体はすぐ分かった。
「ティナ、どうしてこんなところに」
「どうしても何もあなた達の帰りが遅いから気になって来てみたらこの大騒ぎだもの、気になって来てみたらこうなって」
「たくっやらかしちまったな、ここまでやっちまったら流石の俺も庇うことは出来ねーな」
「ユリウスてめぇまで一体何しに来やがった」
「何しに来やがっただ?ここまで騒ぎがでかくなったら来ねえわけには行かねーんだよ、しかもまたやっちまったなーお前たちは。今回の件では俺にはどうしようも出来ねーからな」
「あなたがフォクシーですね、また私たちの仲間に手を出したんですね、これ以上は私としても見逃すことは出来ません。正式に獣王様へ抗議をさせていただきます」
「嬢ちゃんが何者かは知らねーが小娘一人の声なんか通じねーんだよ。特にこの国ではな」
「フォクシーお前には伝えなければならないことがある。くれぐれも騒ぐなよ」
ユリウスがフォクシーに近づき耳打ちする。
「お前が、小娘と言っているそこの嬢ちゃんだが人国の第三王女だからな、俺は昔人国の王城で勤めていた時に見たし直接も話して確認してある。ちなみにそのときにザックの野郎もティナ嬢が一人で倒していて実力も相当なもんだ。だからフォクシー悪いがお前はもう終わりだ」
ユリウスに何を言われたか分からないが、フォクシーはティナをひと目見て顔を伏せて力なく抵抗を諦めた。その後ユリウスが連れてきていた闘士にどこかに連れて行かれ彼をその後見たものはいなかった。
「さて、次はお前ら2人だが今回の騒ぎで手を出していないし、一応反省の意思があるものと考えるがそれで間違いないか?」
「俺たちは、今回の騒ぎでたくさんのやつらに迷惑かけたと思っている。だからしっかり反省して一からやり直したいとおもう」
「それなら、俺からは特に無しだが今後のお前らの行動はしっかり見させてもらうからな。ティナ嬢達の方はどうだ?」
「私の方から見ても反省の色は見えますし、それにその方はディスからしっかり罰を受けたみたいですからこれ以上はするつもりはありません。ディスはどうしたいですか?」
「ディスはちゃんと反省してリザにも直接謝るなら許すです。それに反省出来るのは良いことですから、ディスも大嫌いと言って泣かせてしまってごめんなさいです。リザに謝って許されたなら友達になってもいいです」
「分かった。必ず直接謝罪するのでリザ殿との面会の仲裁をお願い出来るだろうか?」
「分かったです。リザには必ず伝えて会える時になったら連絡するです。それと、罰で飲んだ薬ですがあと1週間位で自然に治るはずです。ヴィオラも一応期間限定の薬を選んでいたと聞いたです」
「それは本当か?ちゃんと治るんだな?治療薬を探しても無くて途方にくれていたんだ」
「治療薬が無くて当然です。あれはヴィオラ特製の薬ですから、だからヴィオラは怒らせないようにした方が良いですよ。どんな薬を作っているかこちらもわからないので」
「その忠告しっかりと心に留めさせてもらう。今日はこれで失礼する」
二人は薬の効果が治ると聞いて安堵したのか少しだけ明るい顔を見せながら帰っていた。そして後日ヴィオラの監視のもとリザに謝罪し正式に許されることになった。クロの方はというと、たまにディスと出かけているのが見えるがディスの買い出しの荷物持ちとして駆り出されているようだが楽しそうにしていたので誰も何も言わなかった。
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