第266話雷光

「楽しませる?バカかお前は、これから起きるのは俺達三人の華麗な逆転劇だ。お前は俺達を早く倒さなかったことを後悔するんだな」


「後悔ならたくさんした。だから俺は前進するだけだ、今日はお前ら三人を乗り越えて先に進ませてもらうぞ」


「ふん、お前の道は行き止まりだくらえこれが俺様の取っておきだ。フォクシー仮装行列パレード


 フォクシーが高めた魔力を一気に解放する。するとステージを囲むように八人のフォクシーが現れステージ上には九人のフォクシーとギリーとクロと俺の12人になった。


「どうだ、これが俺様のとっておきだ。今からお前はこの俺様に無様に負けるんだ。おらっお前ら二人ももう動けるだろう。一斉にかかってこのクソガキを懲らしめてやれ」


「なるほど、それがお前のとっておきか。確かにこれだけの人数同時に来られたら不味いな。だったらこっちも覚悟決めてやってみるか」


 パチっパチっと俺の周りから音が鳴りその音は段々パチっパチっと軽い音からバチバチと変わっていく。


「この技は理論だけは出来ていたんだがなかなか扱いが難しくて一度も成功していなくてな、最初にものすごい速さの動きを見せたと思うがあれはこの技を足下だけにやった技だ。だけど今からやるのはさっきとは全く違って全身に纏って更に魔力と一体化することで一時的に精霊に近い状態になるというか雷そのものになることが出来る」


「ふんっそんなハッタリだれが聞くか、もしそうだとしても成功するわけがない。どのみちお前の負けは確定なんだよ。死ねー」


「大丈夫、俺はやれる。そのための準備はしてきた、シルキーあなたのおかげで道が見えた」


 フォクシー達が全員でナイトに攻撃を仕掛けようと迫ってくる中ナイトの体が徐々に輝きはじめ、全身が眩い光に包まれた瞬間ドォーンと凄まじい雷鳴が鳴り響きその音の後にステージに、立っていたのはナイトただ一人だった。


 ナイトが光り輝いた瞬間技の成功と共に思考が一気に加速され見える世界がものすごく遅く感じるようになった。雷と一体化することにより電気信号が爆速的に上がり全ての反応が格段に上がり、迫ってくるフォクシーの動きが全て手に取るようにわかった。


 まさか、こんな効果があるとは思わなかったな。これだけの効果があるなら今後も使っていきたいが魔力の消費が物凄くこれは要改善だな。


 次はこれでどのくらい動けるかだが、俺の本能がヤバいと訴えかけている。これは慎重にいったほうがいいな。ゆっくり一歩踏み出した先は破壊されてボロボロになってしまった穴の空いた足場で俺の本能はこれをヤバいって感じたのだろうがもう遅い。


 俺はその勢いのまま駆け出すと一瞬で目の前にフォクシーの姿が現れそれを回避しようとするとまたフォクシーが現れるというフォクシー地獄になっていた。いやこれが本当のフォクシーパレードなのかもしれない、避けても避けても現れるフォクシー恐ろしい。そうして何度もフォクシーを回避している内に魔力が切れて止まった時には全てが終わっていた。

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