第256話ティナの実力
初戦はティナから行くことになり今ティナはザックと向き合いながら体をほぐして戦闘準備をしている。
「それじゃそっちの好きなタイミングで始めていいぞ、先輩からのサービスだ」
「優しいですね、ではお言葉に甘えましていかせてもらいます……ね」
ティナの姿が一瞬消えて姿が確認出来たのはねの言葉と共にだった。
「おっ素早さは中々見どころあるじゃないか、だが素早さだけで認めるわけにはいかないな」
「もちろんです、いきますよ」ティナは魔力を全身に纏わせて肉体強化を一段階あげる。
それに呼応するかのようにザックも全身に魔力を纏わせてティナに対応する。
ティナの肉弾戦のスタイルははっきり言って多種多様にわたる。ボクシングや空手みたいにキレのある足さばきに左右からのパンチにフェイントを混ぜてのアッパーが左右の動きに慣れた頃にくるから受ける側はヒヤッとする場面が何度か訪れる。
「あまり見ない型だが、なかになか面白いじゃないか。だがキレはあっても重さが足りない分ダメージにはなりづらいな、よっぽど当たりどころが良くなければ相手の意識を奪うことは出来ないぞ」
さすが試験官をやるだけあって一筋縄ではいかないようだ。ティナの攻撃を上手く捌いている。ティナもまだ全力を出しているわけではないので余裕はありそうだがあと一歩決め手が今の時点では無いように感じる。
「ほれほれ、戦いが長引けば相手も動きに慣れて反撃を繰り出してくるぞ」
防戦一方に見えたザックだが、ティナの動きに慣れてきたのか段々と反撃が増えてきてついには打ち合いになってきた。
「おらっその攻撃をした後はここが隙だらけだぞ、隙が出来るってことはどうなるか経験してみな」
ザックの右手がティナの脇腹にめり込みティナが苦痛の表情を浮かべ吹き飛んでしまう。
「中々面白い動きをするやつだな、さっきの隙と他にいくつかの欠点を無くすれば次は闘士として問題無いだろう。そこの2人どちらでもいいから治癒室に連れて行け。治癒師が常時待機しているから」
「大丈夫です私なら、それにあなたのいう欠点も無くする方法もすでに持っていますので」
吹き飛ばされたティナが体に付いた砂ぼこりを払いながら戻ってきた。
「おいおい本気じゃないとはいえ吹き飛んでしまうほどの威力だぞ。ダメージだってあるだろう」
「そうですね、本来なら先程の攻撃で多少なりともダメージが残ったことでしょう。ですが、私にはこのくらいのダメージは無意味です、本来この力は見せるつもりは無かったのですがザックさんには見せなければ闘士として合格出来そうにありませんからね。それでは申しわけありませんが第二ラウンドといきましょう」
ティナは金の魔力を全身に纏い第二ラウンドの開始を宣言した
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