第257話出し切る
「おいおいなんだよそりゃふははは、一発目から面白いやつだな。しかし、そんな技があるってことは俺相手に手を抜いていたってことか?」
「申しわけありません。ですが決して手を抜いていたわけではないのです。この技は未完成でまだ本来なら出せるもので無かったのですが、このままでは認めてもらえなさそうでしたので」
「未完成でこの迫力かよ、完成したらどうなるのか恐ろしい気もするが、どれ俺様がどんなもんか試してやるよ。かかってきな」
「ありがとうございます。ザックさんの期待に応えれるよう頑張ります」
ティナがリズムを取るかのようにその場で何度か跳ね上がるとドンっと音と衝撃が周りを包む。
「うわーティナさんあれ出すんですね。ザックさん中々やるなー。私大丈夫かなー」
マリアがぼそっと呟く
「マリアはあの状態のティナをしっているのか?」
「そうですね、私も見たのはほんの数度なんですがあれはティナさんしか多分出来ない技だと想います。」
「ティナしか出来ないって一体どんな………」
「ティナさん曰く人は普段力を使う際リミッターがかかっていて大体3割位の力しか使えていないそうです。それ以上の力を使うと負担に耐えきれず体が簡単に傷ついたりするそうなんですが………ティナさんは傷つくのなら傷ついた瞬間に治せば問題ないんじゃないかと考えて、自分の体を常に治療出来る状態にして限界以上の力を使う術を考えたそうです。」
「瞬間に治せばってまた無茶な方法を考えたもんだな」
「はい、ですからまだ未完成なんです。それに治療には魔力の消費も普段より大きらしく、今の状態はもって五分くらいかと」
「なるほど、瞬間的に治すから魔力消費も普段より増えるわけだな」
「はい、ですから少しでも早くザックさんがマリアを認めてくれないと」
ティナはリミッターを解除したらしく先程とはまるで違う動きをしていた。
「まさか、ここまで動きが変わるとは驚いたぞ。これなら合格も考えてもいいがまだ何か隠しているな?全てを出し切ってみせろ」
「そうですね、では私の全力お見せします。」
ティナは、動きを止めて一呼吸すると再び全身に魔力を纏うかと思いきや足下に魔力が集まり、今までで最速の動きでザックに駆け寄り自分の間合いになった瞬間に魔力を込めた腕をザックに振り抜くと、その魔力をザックに打ち込んだ。打ち込まれた魔力がザックの体内を突き抜け体がくの字に曲がる瞬間更にティナの猛追が始まる。
「これが今の私が出せる最大の技です、覚悟してくださいね
ザックの周りを回転しながら魔力を込めた腕で打ち抜き更にその魔力を打ち込むことで体内にダメージを与えて打撃の低さを補っているようだ。さすがに内臓までは簡単に鍛えることは出来ないからな。
そして、全てを出しきったマリアが腕を上げた瞬間そこまでとどこからか声が響き渡った。
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