第250話シルキーの為なら
「おーナイトよ、どうした?先日帰ったばかりではないか。お前ならばいつ来ても歓迎するがいずれ息子になることだしな。ワハハハ」
「本来でしたら別のルートを使って獣王国へ向かうつもりでしたが、帰った矢先に思わねトラブルに遭遇してしまって」
俺は、王都から領地に帰ったさい死んだと思われた兄であるマーケドック生きていて、シルキーに致命傷になる傷を負わせて去っていったこと、シルキーの治療がその場で行なうことが叶わず、やむを得ず仮死状態にしてアイテムボックスで保護していると。そしてマーケドックが大罪スキルである強欲持ちだということ
「まさか、そのようなことが起きていたとは、しかし大罪スキルときたか、だが大罪スキルが再びこの世に出てくるとはこれも運命というやつか」
「んっ?運命ということは一体どういうことですか?」
「そなたらは光の聖女の存在をしっておるか?」
「光の聖女についてはわずかにですが、シルキーが大罪スキルと一緒に調べていましたので」
「さすがシルキーじゃな、では光の聖女が作った国がこの国で初代女王だったということは、知っておるかの?」
「そうなんですか?それは知りませんでしたが、それがやはり運命につながるんですか?」
「ある意味そうだな、ティナがおるであろう。あの子の治癒魔法は特別なものだ。誰にも習うことなく幼い頃に死にかけた知り合いの従魔の傷を癒したのだ。それを見た一部の者が光の聖女の生まれ代わりだと騒ぐものがいて箝口令を敷かなければならなければならないほどであった」
「なるほど、光の聖女の生まれ変わりだと思われるティナの存在があったから大罪スキルの存在を聞いて運命と言ったわけですか」
「そういうわけだ、だがあくまで光の聖女というのは可能性があるだけではっきりしとらんからなんとも言えんがな。だが大罪スキルを持っているものにとって光の聖女の存在は、さぞかし邪魔であろう。ナイトよ、改めてティナをしっかり守ってやってほしい」
「いいえ、守るだけではダメですわ。スキル保持を確認しているのであれば、見つけ次第全力で倒してしまわねば。このことに関しては我が国も全力をあげて協力します。それに、周辺の国にも連絡を取り合ってマーケドックの姿が、確認出来次第居場所の共有が出来るようにします」
「お母様、いくらなんでも一人の人間に対してそこまでの体制を周辺国家も協力してくれるとは思えません」
「その点なら大丈夫よ、私が主人に変わって周辺諸国を回っていたおかげでこのくらいの頼み事なら誰も嫌な顔をせず引き受けてくれるはずだわ。それに私の大切なお茶友達になってくれたシルキーの為にも私の出来ることは全力でやるつもりよ。いいですわよねあ・な・た?」
思わぬ女王様からの援護でマーケドック包囲網は予想以上の規模で出来上がりそうだ
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