第249話戻ります

 各自用意を進めて最終的にマリアとセバスのチェックを合格して出立の用意が出来た。


「またしばらく領地を離れることになってすまないがみんなと協力してくれ」


「はい、お任せください。事前に色々用意してもらったのでしっかり相談をして皆さまが帰るまで見事に領地を守ってみせましょう」


「心強い言葉だな、おかげで安心して任せることが出来るよ。定期的に手紙は出すから何かあればすぐ知らせてほしい。それじゃぁ行ってきます」


 屋敷にいる使用人が全員集まり深いお辞儀をして見送ってくれた。シルキーを連れて早くまた戻ってきたいな。


「よし、今回の目的地は獣王国だ。もともと国王とも約束していたし、闘技場があるらしいからそこで名前を上げてティナとの正式な婚約を勝ち取ろうと思う。それに、闘技場っていうだけあって強いやつがうじゃうじゃいるだろうからマリアの戦闘経験向上に最適な場所になるだろう」


「闘技場に行くまではどんな修行をするのですか?」


「闘技場に行くまでの間は基礎を改めて1から鍛えていくつもりだ。基本的にマリアは肉弾戦より距離を取っての中距離魔法戦闘を鍛えていって、そこからの接近戦を少しだが教えていくつもりだからしばらくは地味な修行になると思うが我慢してくれ」


「地味な修行は大丈夫ですが、どのようなことをするのですか?」


「マリアには修行の間はとにかく魔力を高めて制御出来る魔力量を増やしてもらう。魔力の制御を高めることで、同時に行使する魔法を増やして合成魔法を会得してもらうのがとりあえずの目標かな。合成魔法が使えたら戦闘の幅がいくらでも広がっていくから」


「わかりました。魔力制御を極めて合成魔法を会得してみせます」


「まっ地味な修行だから焦らずやっていこう」


 マリアには地味な修行になるだろうが、魔法の扱いに関しては俺より才能があるだろうとみているので成長に期待だ。


獣王国に行くにはいくつかルートがあるが、今回はマーケドックについての報告も念の為にしておくために王都経由のルートを選んだ。


「まさかこんな形で王都に戻ることになるとはな、しかもシルキーのことをなんて王妃に伝えようか、困ったもんだ。シルキーの知識もだが母親として二人共通じ合うとこもあって2人でお茶をしているとこを何度か目にしているから今回のことは伝えづらいが秘密にするわけにもいかない……ありのままつたえるしかないよな」


 獣王国へ行くまえに問題は山積みだが一つずつ解決していくしかないな


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