第248話ファイルの中は?
『大罪スキルと光の聖女』とファイルされたものをシルキーが残していた。大罪といえば憤怒・嫉妬・強欲・怠惰・色欲・傲慢・暴食の7つの大罪が有名なことを前世の知識から思い出す。
『大罪スキルですか?私が思いつく限りで確か……大罪は7つに分けられていたはずですね』
ティナがファイルを見て教えてくれた。どうやらこの世界でも7つの大罪に分けられているようでおとぎ話にも出ていたり昔の伝承などで語られているそうだ。
シルキーは以前マーケドックに強欲のスキルが見えたらしくそれをきっかけに大罪スキルについて調べるようになったらしい。
「大罪スキル強欲か……あいつが持っていても全く違和感を感じないぴったりなスキルだな、もしかしてシルキーに回復が効かなかったのもその強欲がなにかしらの影響を及ぼしたのかもしれないな、なおさらあいつは生かしてとっ捕まえないといけなくなったな」
「そうですね、まだ関係はあるかはわかりませんが可能性はありますからね。絶対捕まえてお母様の仇を取ってみせます」
マリアが腕を振りながらやる気を出している、時折やる気なのか殺る気か分からない殺気もでているが、俺としてもあいつを許す気はないのでそっとしておく。
ファイルをパラパラと読み進めていくと次は光の聖女について書いてあった。光の聖女は癒しの力を持っていても傷ついた多くの民を癒した人らしく、更には7つの大罪スキルを持った集団が国を貶そうと襲って来た時に、国を守ろうと立ち上がった六人の若者と共に戦いそのスキルを使って大罪スキルを封印して国を救った後、共に戦った内の一人の男と結ばれ新たな国を作ったとか。
なるほど、話的にはよくあるパターンの一つだな。しかし、そうなるとあいつが強欲のスキルを持っていたということは封印がとけたってことかもしれなくて、強欲以外の大罪スキルを持ったやつが何処かにいるかもしれないということになる。
「きっとお母様はまたこのように大罪スキルを持った集団が集まってしまうかもしれないことを危惧して調べていたのかもしれません。私にお母様みたいに出来るかは分かりませんが私も出来るだけ調べてみようと思います」
「そうだな、なにか起きる前になるべく情報は欲しいから頼めるかな?ただシルキーも時間がある時に調べてるみたいだからあまり無理はしないように。それと、マリアには戦闘訓練も今より増やしていこうと思う。最近は最低限しかしていなかったがあの野郎をブチのめすならマリアも実力を上げないとな」
「そうですね……今の私ではあいつの姿を追えませんでした。今のまま立ち向かったらお母様の二の舞いでしょう。ナイト様どうか私にあいつと向き合えるだけの力を」
「大丈夫、どこまで出来るかは分からないがあいつと立ち向かえるだけの実力になるように俺と一緒に頑張ろう」
「はい、ありがとうございます。それではまたお母様のとこで荷物を整理しながら旅支度もやっていきますね」
「そうだな、このファイルはじっくり読みたいから預かっていいか?それと、旅支度はみんなでするからマリアもある程度でいいから俺達に指示をくれ。今までシルキーに甘えていた分出来ることはやろうと思うから」
「わかりました。ではまず皆さんは自分の身支度をお願いします。それからみんなで一緒にやりましょう」
マリアの言葉と同時に各自動いて用意を始めていった
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