第220話料理バカ

収穫祭は無事にぎわいを見せたまま終わった。会場にはまだまだ飲みたりなかったり食べたりなかったりする人がいたので朝まで開放することにした。トラブルもあったが無事に終われたのでよしとしよう。


「ナイトさん実演頑張ったので約束は守ってくださいよ〜」


三人組は約束通り頑張ってくれたので、俺も約束通り試作品を渡すことにした。


「いきなり頼んで悪かったな、これが約束の品だ確認してくれ」


俺は試作品でハンドミキサーを渡し簡単に説明をする


「これには風の魔石を使っていて、大中小と三段階に強弱をつけている。マヨネーズをやるなら中が、オススメだ。他にも先端を取り替えて色々出来ないか研究している、みんなには使ってみて些細なことでも気になることがあったら教えて欲しい」


「なるほど、風の力でこれを回転させるんですね。これなら持つだけで混ぜてくれるから便利ですね、マヨネーズ以外にも色々使えそうだ」


三人は使い方を覚えるとすでに周りが見えなくなっているようであーでもないこーでもないと熱く語りだしていた。


「ナイト様よろしいのですか?」シルキーが不安そうな顔をしながらこちらを見てくる。


「問題ないよ、これだけ夢中なって考えてくれるなんてむしろ良かったと思えるよ」


三人はしばらくは放っておいてもいけそうなんで、他の皆に改めて労いの言葉をかける。


「今日は皆ありがとう、みんなの協力のおかげで収穫祭は成功と言ってもいいだろう。だけどこの収穫祭は始まりに過ぎない、今回のことで領地の名前を知ってもらい次から本格的に領地の売り込みをしようと考えている。だから次の為に今日はわずかだが食事も用意してあるから存分に楽しんで欲しい、今は身分など気にせず今日の成功を祝おう」


その言葉と共に部屋の奥から色々な食事が運ばれてくる。屋敷にいるメンバーで夜の為に色々用意しておいたのだ。


食事が運ばれるとハンドミキサーに夢中だった3人も匂いにつられてフラフラとこっちによってくる。あれだけ話に夢中になっていても料理の香りにつられて来るなんて完全な料理バカと言われても仕方ないだろう。


「ナイト様先ほど本格的に領地の売り込みをすると言ってましたがなにか考えているのですか?」 


「もちろん考えはあるよ。まずは娯楽を広めていこうかなと、大人でも関係なく遊べるようなやつを作って売り出すつもりだ。これは畑近くの森を伐採してその木材を加工して売りに出すから。畑仕事を、終えて手が空いたり力仕事が出来ない者を中心に考えている。これが売れたら領民にも更に金が手に入り領民も領地も潤うぞ」


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