第216話駄目貴族

俺は早速騒いでいる貴族のもとに駆け寄り事情を聞きにいく。


「申しわけありません。なにか不手際がございましたらすぐに対応いたしますので事情を、お聞かせもらってよろしいでしょうか」


「んっなんだ貴様は?んっお前は確かこの収穫祭を開催した成り立て貴族だったか?ふん成り立てだからといってやって良いことと悪いこともわからんとはまったくなっとらんな。ワシが貴族としての礼儀を教えてやる」


「大変申しわけありません。ぜひ今回やって悪かったことをこの新米貴族の私にご教授していただけないでしょうか?」


「ほー話を聞く技量くらいはあるみたいだな、それならばワシがしっかり貴族とはなんぞやと教えてやろう」


そこから今回の騒ぎとは全く関係ない貴族の話が始まりなぜか、誇らしげに威張って気持ちの良さそうな顔をしていた。


「なるほど、貴族とは大変素晴らしいものですね。だからこそあなたみたいな立派な貴族がドワーフ王国を支えているのですね。そこは理解できましたが、今はこの収穫祭で騒がれた理由をお聞きしたいのですがよろしいでしょうか?主催側としていけないところは直さなければいけないので」


「ふむ、そうであるな。私が言いたいのはこのマヨネーズのことだ。貴様はいったいどこでこのマヨネーズを知ったのだ?このマヨネーズは以前我が国で行われた晩餐会で発表されたものだ。それをなぜ貴様がここで出している?どこでこのレシピを手に入れたのだ?ことによってはそちらの王に苦情を出さねばならんな。新米で成りたての貴族のお前が苦情を出されてみろ、せっかくなった爵位を剥奪となるかもしれんな。正直にどこでこのレシピを手に入れたか言ってみろ、正直に言えばワシも悪いようにはせん」


このオッサン貴族は悪いようにはしないと言ってるがこの様子だとマヨネーズのレシピを独占して良からぬことをするのではないかと感じる。


「なるほど、このレシピをどこで手に入れたかですか?料理人にとって自分だけのレシピがどれだけの努力や苦悩を経験して手に入れているか分かりますか?」


まー俺の出す料理などは前世の知識を使ってのチート技だからあまり自分から言うのは褒められたことではないとは自覚はあるがあくまで知識であって作る努力したのは俺達だから文句を言われるいわれはない。


「ふん、なにを言うかと思えばそんなことか。お前こそ勘違いしてないか?我々貴族は国王より選ばれた者なのだ。そんな我々が使ってやっているのだから感謝こさされても文句など言われてたまるものか」


なるほどなるほど、こいつは典型的な駄目貴族だな。ドワーフ王の手前穏便に済ませてやろうと思ったがもう許さん。お前が貴族の権力を使うならこっちは国王の権力をつかってやろうじゃないか。


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