第217話不敬罪
「なるほど良い勉強になりました。では私からもお礼を示さねばなりませんね。ちょうど待っていた者も来ましたので」
「待っていた物だと?ふっそれより礼とはなんだ?つまらぬ物だったら容赦せんぞ」
「え〜きっとこれならあなたも泣いて喜ぶんでは無いかと思いますので、ぜひお受け取りください」
俺は、すぐそばまで来ていた3人ともう一人のフードで顔を隠した御仁にそばに来てもらった。
「なんだ?物ではないのか?いやまてそこの三人には見覚えがあるな?おい、そこのお前達はどこの者だ?ワシが許すから申せ」
「では、代表して私がお答えします。私は、貴族様が以前ドワーフ王国での晩餐会で食した料理を担当したものです。もちろんそこのマヨネーズも私達が作りました」
「そっそうだ思い出したぞ。あの時王子に呼ばれていた料理人だな、ふんやはり王子に逆らった罪で国から追い出されこの国に来たということか。それみろ身分を弁えずバカな真似をするからこうなるんだ」
「あなたは、何を言っているのですか?私は国を追い出されていませんが、むしろ以前より忙しくしていますがこれだから威張ることしか出来ない貴族様は困ったものです」
「きっ貴様誰に向かってそのような口をふっ不敬罪でこの場で切り捨ててやろうか」
「ここは他国の貴族の領地ですよ。しかも領主様の前でなんと愚かなことを、あなたは国を巻き込んでの戦争の火種をいま作ろうとしているのですよ、わかっているのですか?」
「うるさいうるさいうるさい、そんなもの我が力をもってすればどうとでもなるわ」
「そうですか、それとお言葉ですがこのマヨネーズを考案したのはここにいるナイト様ですよ。私達三人はナイト様のご教授を得てあのマヨネーズや唐揚げなどを作り上げたのです。あの時国王様が箝口令をしいたのはナイト様が秘密にしてほしいと頼まれたからです。ですからこのマヨネーズは、ドワーフ王国の物ではありません。むしろナイト様が我々に使用の許可をしてもらって使っているのです。」
「なっなんだとでは貴様はあの時人族の姫のそばにいた護衛か、くっなるほどその時の成果とやらで貴族にでもなったか、ならばワシがお前の後ろ盾になってやろう。貴族になりたてのお前ではなにも出来まい。だがワシが後ろにいれば色々助けてやらんこともない。そのかわりにお前が作る料理のレシピはワシに差し出せ、なにお前に悪いことはなにもない。そのレシピで稼いだ金もくれてやる、手間賃はもらうがな」
やはり駄目貴族だな。こうなったらあの方の出番だ
「なるほど、だが後ろ盾の先約はすまないが先にワシがしているので諦めてもらおうか」
フードで身を隠した御仁が表に出る。
「何だ貴様は?そういえばさっきお前は名乗らなかったな、そのフードを取って姿を見せよ」
御仁は静かにフードを手に取り姿を表すと貴族は信じられない顔で口を大きく広げ体が震えだした。
「ワシではこやつの後ろ盾に相応しくないとでもいうか?お前は我が国の貴族らしいが名を名乗ってみよ。覚えのあるものならば顔も忘れないがお前の顔に覚えは無いのでな」
まさか自分の国の国王の前で色々やらかしてしまった貴族だ。否定なんてしょうがない、目の前で国王自らみていたのだからな。やつも貴族ならもう分かっているであろう、もはや手遅れだと
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