前のエピソード――第143話名前決まりました

リルが仲間を引き連れ食料確保に向かって数時間そろそろ日も落ちてきたかなと思っていると、どこからともなくリルが現れた。そしてリルの、背後にはまた凄い量のモンスターがいた。どれも肉付きがよく食べごたえがありそうだ。

それから間もなくしてからリルの仲間が戻ってきた。一ぴきずつこちらも口にはモンスターをくわえて帰ってきた。なかなかの量になりそうだな。

　リルの持ってきたモンスターを合わせて一旦俺が預かっておく。

それにしてもリルは、こんな量を一体いつどこからもってきたんだ？俺はリルに問いかける。

「リルお前これだけのモンスターどうやっと持ってきたんだ？それにいつ帰ってきたんだ？」

リルは俺の問を聞くと、振り向き歩きだすとその体が地面に沈み込んで一瞬で消えたかと思いきや後ろから現れワフっと鳴きながら抱きついてきた。

あっこれが影移動か、なるほど。影の中に潜り込んで一瞬で、影から影に移動出来るのか。

　この影移動でいつの間にか帰ってきて、モンスターも影から運んで来たというわけか、この移動先に選ぶ影がどうなっているかわかると色々やれること出来そうだけど。

　例えば、影をたくさんターゲットを囲むように作りどこから攻撃が、くるかわからないようにするとかしたら面白そうだ。

それにしても、みんな張り切って食料の確保してきたんだろう。それは、ものすごいわかる、尻尾も思い切り振って褒めてほしそうにしているから。だけどみんなわかっているんだろうか？

　みんなの、後ろにいるティナの背後からゴゴゴと効果音が、聞こえてくるくらい怖い笑顔をしていることに。

それはそれは見ていてかわいそうになるくらいだった。まーせっかくきれいにしてあげたのに、ここまでまた汚れて帰ってきたんだから、ティナの静かな口調なのにいつもより長い説教をくどくどと聞かされて、振っていた尻尾がしゅんとうなだれて下がりきっていたのだから。

　だが、これで反省したみたいだし次からはもう少しきをつけるようになるだろう。

また、汚れたウルフに我慢出来なかったのかティナは自らまたお風呂を用意してほしいとマリアに頼んでいた。今からまた洗われるのだろう、1度洗われているから抵抗はなさそうだが、そこにティナに任せよう。俺は、せっかくみんなが狩ってくれたモンスターを調理するか。普段はみんな生肉で食べているだろうから調理することで、生肉では味わえない美味さを味わせてやろう。

みんなが狩ってきたモンスターで食べれそうなやつはオーク、ジャイアントスネーク、キラーラビット、ロック鳥当たりだな。

ここは、王道メニューのでハズレのない唐揚げを作るとすれか。肉の種類もあるから食感も色々違うだろうし、さらに味付けを変えたらいくらでも食えるだろう。こいつらはガッツリ食べそうだし特大バージョンを作ってやるとしよう。

俺達用と、ウルフ用に肉を切り分けて、シンプルな味付けと、ニンニク風なやつ、カレーもどきの味付けをしていく。油を低温から揚げて仕上げに高温で二度揚げして中はジュワッと外はカリッと仕上げていく。この食感は病みつきになるだろう。あとは、味変にレモン、大根おろしみたいなやつに最近作ったポン酢を用意しておく。

揚げ上がると同時に、ウルフも再びきれいになり集まってきたので皆で食事にする。こういうのは皆で食べたほうが美味いのでドボスさんも呼び宴会になった。

出来立ての唐揚げは好評でみんな気に入ってくれたようだ。ドワーフ特製のエールも用意され、これが唐揚げと相性バツグンでさらに食事がすすむ。

ウルフ用に用意した特大唐揚げもみんな喜びながら食べていた。最初は、初めての食べ物で警戒しながらだったが食い始めると生肉では味わえない美味さが分かったのか貪りつく。これだけ食べてくれると作った側としても嬉しい。

「お〜ナイトよ、今日は誘ってくれてありがとな。しかもこんな美味い飯を食わせてもらってありがたい」

「いや、元はといえばリルが仲間になったのは、ドボスがリルを助けたことからが始まりだったからな。そのお礼とでも思ってくれ」

「いや、まさかあの時に助けたちびっ子ウルフがこんなに仲間を引き連れるボスになるとはな、驚きだ。こんな美味い飯にありつけたし、助けてやって良かったワイ。ほれ、ワシのことは覚えとるか？前に１度会っとるんじゃぞ？お前たちの狩ってきた肉だ。しっかり食べろよ」

ドボスも用意した唐揚げを気に入ってくれたようで良かった。また作ってみんなでたべるのもいいな。

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