第128話新たな力

「ナイト様、新しい武器についても説明させてもらっていいですか?」

 そうだ、ディスは武器も作ったって言っていたな。どんな武器ができたんだろ?


「こちらが、今回新たに作った武器になります。この武器はリザさんと共同で作り上げた渾身の一振りになります」


俺はディスから新しく出来上がった武器を受け取る。今回出来上がったのは、どうやら双剣のようだ。

 だけど、ディスだけじゃなくリザも一緒に、なって作ったんだ、普通の双剣なわけないよな。

 俺は、ディスに双剣のことを教えてくれと頼んだ。


「はい、今回仕上がった双剣はですね、可変式双剣銘はまだ決まっていません。ナイト様の為に作った武器なのでナイト様に銘を決めてほしいです。

 ちなみに素材は聖石とミスリルがメインですが、わずかにアダマンタイトを使っています。これにより強度が上がっています。そして。リザさんと一緒にこだわって作り上げた可変式なんですが、こちらは武器に込める魔力量によって変化します。形から強度まで色々工夫できるようになってます。」


おー双剣なのに他の武器になんのかよ、かなり戦いの幅が広がるんじゃないのか?これは詳しく聞いておかないと。


「変わる形態はまず1式として双剣ですね、こちらが通常状態になります。次に二式なります、右手側の剣に魔力をゆっくり込めてください、すると魔力が剣先から伸び太刀になります。逆に左に魔力を込めると魔力障壁と物理障壁を兼ね備えた二重装甲の盾が形成されます。盾は込める魔力によって強度が上がります。それとこの盾はもう一つ別の形がありまして柄の所にボタンがあるので押してください」


俺はディスに言われるがま柄のボタンを押す。すると盾状になっていた魔力が縮んで弧を描いた形に変わった。


「これは、ブーメランとして使える投擲武器になります。 盾でもあり武器でもあります。そして、次は双剣同士を重ねて魔力を少し多めに流してください。」


俺は言われた通り双剣を重ねて魔力を流すと、次は魔力の刃が太刀より幅が広い大剣になった。


「こちらは2つを重ねることによって出来る二刀一対の形になります。長さも僅かですが微調整出来ますので接近戦のさい相手の距離感を狂わすことが出来るかと」


この二人はこの双剣にどれだけ仕掛けを仕込んでるんだよ。機能だけを考えたら普通にやばいだろ。ブーメランの機能もあるから、接近戦 中距離戦もこの双剣でいけるだろうな。さすがに、もうないよな?


「ぬふふ、そして最後になりますがこちらは、ナイト様にも驚いてもらえるかと。一度魔力を込めるのを止めて柄のボタンをまた押してください。そしたら再び双剣に戻ります。それで、最後に双剣同士の柄を合わせてボタンを押しながら魔力を込めてください。どうですか?双剣からの弓への変化は。柄は魔力で結合しているので外れることはありませんし、弓矢は、魔力で自動で生成するので魔力が続く限り打ち放題です。この双剣一つで接近、中距離、長距離すべてをカバーすることが出来ます。」


は〜この二人が組むとこんなことになるのか。今回は、戦力アップという意味では最高の結果になったが、失敗作が出来た時が怖すぎる。これからは、更に何かを作る時は様子を見ておくことにしよう。


「これだけ立派なものを作ってもらったんだ。ふさわしい名前にしてやらないとな」俺は考える。すると何故かはじめから決まっていたかのように頭に名前が浮かんできた。

 「可変式双剣 聖双刃クロス・クライノート意味はそうだな  交わる2つの宝玉かな。」


「2つの宝玉っていうのはなんです?」


「まずは聖石が宝石のような見た目と後はディスとリザの努力の結晶だからかな。いつ見たかは覚えてないけど、どこかの文献で宝玉をクライノートって言っていたんだ。

そして本来鍛冶師と魔道具師はやり方とか違うけど、今回は、二人が共同で違う道からこんな最高のものをつくりあげたんだ。二人の道が、交わって出来た武器だからクロス・クライノートって銘をつけようと思う。二人共ありがとう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る