第117話感覚派

鉱山が開放されて一気に賑やかになった。採掘にくる人間が一気に増えて、採掘した鉱石を、鍛冶師たちが加工をして、それを買いに人がどんどん集まる。町中は毎日がお祭り騒ぎになっている。そんな中、俺達はというと。


「ナイトさん、ナイトさんのお陰で今日もたくさん鉱石がザクザクですよー。今日もどんどんいくです」


ディスのテンションが高い。俺は、ディスに俺の力を話して、更に先日手に入れたギフトを使って、ディスに採掘を、付与している。

 ディスの勘はよく、狙いの鉱石をどんどん掘って採掘していく。俺はそれをアイテムボックスに集めていく。

 本来ならある程度採掘したら外に運び出し鍛冶師の元に持っていく必要があるんだが、俺達には、関係ないので体力が続く限り採掘ができる。

 それに、採掘で使っているピッケルはドボスお手製のピッケルなのだ。このピッケルはすざましく、(衝撃軽減)(重量加減)(消耗軽減)となんとも贅沢な効果が付与されていた。

 ドボスさんは、鉱山開放の報酬だと言っていたがきっとディスに、なにかのきっかけにプレゼントしようと用意していたに違いない。色々挑戦させて欲しいと言っていたし、それにピッケルだけでなくハンマーも、もらっている。こちらにも、同じ効果が付与されていた。


採掘したものは、俺が管理して必要なものを工房でだして、ディスに教わりながら一緒に加工していく。だが、教わるさい一つ問題が発生した。どうやらディスは、感覚派らしくこのタイミングでカンカントンで叩いてジュワーとなるまで加熱して、この繰り返しで形を整えていけば出来上がると伝えてくる。

 言いたいことは確かに理解できるが、その力加減や火の色や温度の見分け方をもう少し具体的に知りたかったんだが、これで、なんでわからないのかと不思議な顔をされる。こればかりは、やりながら覚えていこうとしよう。


「ナイトさんも、やるたびに鍛冶の出来が上達していきますね。私も負けていられないです。」


そんなことを、言っているディスだが、日を増すごとに速さも作る作品の精度がどんどん上がっているのが分かる。

 今は、今まで溜まっていた依頼の作品の仕込みを作っているところだ。本格的な加工は専門の職人に頼むのだが、あまりに数が多く1から作っていては間に合わない状況が今の状態だ。仕込み段階なので、時間をかければ俺でも出来るので、教わりながらやっているのだ。


「ふーやっと一人でも、形になるものを、作ることが出来てきたな。ディスのように早く正確になるのはまだまだだが、基本はつかめてきたよ。ディスのお陰でな」


「これは、全部ナイトさんの実力です。私もこんなにたくさんの鍛冶が出来て楽しいです。この作業が終わったら、皆さんのものを色々作りたいです」


「あー頼むな、ディスにはこれから期待しているから」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る