第111話王様と王子

衛兵も王子には逆らえず急ぎでキッチンに向かい今回一緒に料理をした三人を連れてきた。


『お前らか、この料理を作った料理人にとやらは、喜べ今日今から俺専属の料理人にしてやるから感謝するんだな。これからも、俺様の為にふさわしい料理を作るんだ。次期王たる俺の専属になれるんだから嬉しいだろ』


うわー典型的な駄目王子じゃん。これって元々こんな感じだったのか、それともダークエルフとやらに出会ってからなのかどっちなんだろう?前者なら、この国を救ってもいずれ問題を起こすのも時間次第じゃなかったんじゃないかな。


『申し訳ありません王子様。我々三人では、王子様の専属になるにはいずれも未熟ゆえもうしばらくお待ちいただけないでしょうか。本日出した料理ならば作れはしますが、同じような料理をこれからも毎日提供できる実力もレパートリーも私達にはありません。今日の料理にしてもまだまだ研鑽が必要ゆえ、今の我々では王子さまが満足出来る料理を作って差し上げるまでもうしばしお待ち下さい』


『なんだ、私の聞き間違いか?お前ら3人は、私の誘いを断るというのか。私が直々に誘っているというのに。お前らは、何様なんだ?私が誘っているんだから素直に従えばいいんだ』


なんかやばい雰囲気だな、あの料理作ったのは俺も関係してるし、あの三人になんかあったら俺も気まずいし、出たほうがいいのかな?

 そんな騒ぎもでかくなり後ろから声が、聞こえてきた


『この騒ぎはどうしたと言うんだ。だれか説明できるやつはおらんか?』


この騒ぎを聞きつけてドワーフ王が駆けつけて来てくれた。


『いいとこに来てくれた。王よ、こたびのこの料理を作ったもの達を私が自ら専属の料理人にしてやると言ってるんですが、こいつらは、なんと私の誘いを断ると言うんです。』


『ほーそれはどんな料理なんだ?わしにも見せてみよ』


『はい、こちらのからあげと照り焼きなるものです。』


『ほーこの料理かーなるほどのー、そうか、この料理が気に入って料理人を我が物にしたいと思ったか。だがワシからも言わねばならぬなこれは、この料理だがこの三人でも作れはするが、それだけじゃよ。この料理を1から考え作ったのは別におるからな。この三人は、そのものから指導を受けて、この2品を覚えただけであってそれ以上は出来ぬよ。』


『何者ですか?そいつは、誰か知っているなら我々の専属の料理人にすべきではないのですか?この料理こそ、我々王家にふさわしい味です。それを、わざわざ手放すなど具の骨頂です』


『彼らには迷惑ならないようにわざわざ今回頼んだんじゃ。縁があれば新しい料理も教えてくれるじゃろう。だから、今回は、諦めるんじゃ』


『王は、そのもの達を知っているのですね?教えてぐださい。私自ら行って料理を作らせましょう。王家の頼みを断るバカはいないでしょ』


『ならぬそれは。これは王命である。そのもの達に関わることを禁じる。彼らとは、今後も縁を繋いでおきたいからな。これで、この話は終わりじゃ。皆のもの残りの時間も楽しんでくれ』


去っていく王を睨みつけ手をきつく握り締め震える王子に気づきながらも見ないふりで去っていく王がそこにはいた

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