無事、試しに作った唐揚げと照り焼きも料理長に味を認めてもらい、時間に合わせてどんどん仕上げていく。作っていく内に三人もだんだん慣れてきて、時間内に無事仕上げることができた。

「ふーお疲れ様、三人のお陰で時間にも間に合ったし、味も自信をもって出せる仕上がりになった。」

「こちらこそ今回は、勉強になりました。今回の経験を活かして色々作れるように精進します」

うんうん、努力ができるやつは絶対に今後も伸びるから期待できるな。いつか、こいつの作った料理を食べに来るのもいいかもしれない。

「それじゃ俺は、戻るよ。本来は護衛が仕事だからな。今は別の仲間がいるから、大丈夫だが、本業を忘れないようにもう行くよ。今回の経験は、俺も楽しかったからいつか、お前らの料理食べに行くから頑張ってくれよ。それと、今回マヨネーズ大量に作って疲れただろ？仲間に魔道具師がいるから、そいつに楽になる道具を考えてもらうから、それまで我慢してくれ。多分だが、今日の食事でマヨネーズが知れ渡ったらやばいくらいの注文やレシピの公開を求められるかもしれないから、そこは任せるな」

面倒事は任せてしまって俺は、逃げてしまおう

急ぎ祭典に、混ざっても失礼の無い服装に着替え、ティナの護衛に戻る。

「おかえりなさい。料理はできましたか？ナイト様の作るものですから、私楽しみにしてます。」

ティナにも、期待されてしまったな。まー味に関しては問題ないだろう。さっそく行こうか。

会場に向かい、他にも来ている貴族たちの邪魔にならないように気をつけながらも、ティナのそばを離れないように周りを警戒する。まー祭典で、色々な国から貴族が来てるんだし、変な真似をするやつはいないだろう。

「ナイト君、今回は、急なことを頼んですまなかったね。料理長からぜひにと頼まれてしまって断りきれなくてな。ま〜ワシ自身も君の作るものには興味が有ったからの。聞いとるぞー、オークで作る生姜焼きだったか？なんとも美味いらしいな。機会があればぜひ食べてみたいものじゃ。なので、今日の料理楽しみにしておるぞ」

まさかドワーフ王からも楽しみにしてると言われるとはな、しかし、生姜焼きのことを知られているとはな、食べたものは、それなりにいるし、知っていてもおかしくは無いよな。帰るまでには、作ってあげよう。

祭典も進み、食事を手に取る人も増えてきた。俺以外にも、色々料理はあるし、みんな美味しそうにたべている。俺のは、見るのもはじめてということもあってまだ手はつけられていない。誰か食べてくれたらいいけどな。そんなことを思っていると、ドワーフ王が俺の料理を、手に取り口にする。みんなが王の反応をじっと見つめる

「おーなんじゃこれは、外はサクッとしているのに中からは肉汁が溢れて来るくらいジューシーな食感、手が止まらなくなってしまうの、ほれ皆のもの無くなってしまう前に食べてしまったほうが良いぞ」

ドワーフ王自ら料理の宣伝してくれるとは驚きだな。しかも、味は好評だし、良かった。唐揚げを手に取る人も、増えてすぐに取れなくなると、照り焼きの方にも手を出す人が増えてきた。

　食べた人の反応を見るとだんだん無言になり、黙々と食べ恥じる人が増えてきた。あれっなんかこの反応やばくない？

「おいっどけっ私は、この国の王子だぞ。道を開けるんだ」

うわっあれが例の王子か、関わるの嫌になるなー

「おいっ衛兵、この料理を作ったやつを連れてこい。この俺様が直々に専属の料理人にしてやる。言えば泣きながら喜んで来るだろう」

どうしよう。今すぐ殴りたいんだが、眼の前に王様いるしー