第109話熱々
料理長から頼まれて、俺は、祭典の料理の為にキッチンにいる。料理長から、俺専用に三人ほど助手をつけてもらった。この3人はキッチンの中で将来有望とされているそうで、俺の料理を、手伝うことで刺激を与えてほしいとのことだそうだ。
「今日は頼みます。昨日はナイトさんの作る料理拝見して、香りだけでも美味いのがわかってしまうくらい刺激を、受けました。今日もナイトさんの側で勉強させてもらいます。」
「そうか、それなら今日は一緒によろしく頼むよ。祭典みたいなところに出す料理なんてはじめてだから、なんか気になることがあったら言ってくれ。」
まずは、今日使える材料を確認しないとな。昨日料理長にびっくりさせてくれと言われたし、変わった料理出来たらいいが。
「ナイトさん、料理長から今日の食材だと言われたのがこちらになります。どれも、上等なやつですよー。しかも、珍しくスカイバードなんてのもありますよ。」
へー立派な鳥だな。デカさも立派だし身もしっかりしている。今回のメインはこいつに決まりだな。まずは、三人に部位ごとに分けておいてもらおう。鶏肉ならやっぱりあれを作らないわけにはいかないよなー。それに、スカイバードの卵もある。かなりでかい高さで言うなら1メートル以上はある?空を支配するモンスターの卵だ、そりゃでかいわな。
卵があるならあれをつくってみるか?ある意味世界最強の調味料マヨネーズ様を。
「すまないが、一人だけでいい。こっちを手伝ってもらってもいいか?腕の力に自信があるやつがいいな」俺は、三人の中から、一人だけこちらに来てもらってマヨネーズ作りをする。
マヨネーズはちょっとコツを掴めば作り方はシンプルだ、体力を使うがな。まずは、このでかい卵の黄身と白身を分けてもらい、塩とお酢の代わりにレモンを入れてしっかり混ぜる。ある程度硬さが出てきたら、油をすこーしずつ様子を見ながら混ぜていく。この混ぜるのがしんどいがそれは、頑張ってもらおう。
次に俺は、胸肉ともも肉をもらい、少し大きめの一口大に、切り分けて下拵えを、していく。せっかくだから胸ともも肉の食感だけでなく塩風味と醤油風味の唐揚げにしよう。肉はまだあるので残りは照り焼きにしよう。
この照り焼きの甘めのタレでしんなりしたキャベツとマヨネーズを組み合わせれば、嫌いな人は、いないと思うが出来たら味見してもらおう。
俺は、唐揚げの最後の仕上げに油の用意をする。少しでも美味しく仕上げたいので温度をしっかり見る。少し温度を低めにして中に火を、通して最後に高温で二度揚げで中からはじゅわっと鳥の旨味が外はサクッと歯ごたえのいい唐揚げに仕上げる。うん、いい出来だ。
「三人ともちょっと手を止めてこっちにきて味を見てくれないか?これで良ければ祭典の始まりに合わせて仕上げていくつもりだから」
俺の呼びかけに目を輝かせながら三人が足早にこちらに、来た。めっちゃ期待してる目だな、これで納得出来る味じゃなかったらどうしよう。あまり期待されるのも怖いな。
「ナッナイトさん、自分たちが味見をさせてもらっていいんですか?やっぱり最初は料理長に味を見てもらったほうが」
「料理長にも、もちろん食べてももらうさ。でも仕込みを1からして調理したのは俺を入れてのこの四人だ。この、料理を俺以外に作れるのはお前達3人だけだ。だから、これを、食べて味、食感、香りとかを、しっかり覚えて次は、俺に食べさせてくれ。それにこれは、基本の一つだから他の料理にも生かすことが出来るぞ?失敗もあると思うが色々挑戦してみてくれ。さっせっかくの料理が冷める前に食べようじゃないか」
みんなが一つずつ取り口に入れるその瞬間、全員の口の中にじゅわっとなんとも言えない旨味を含んだ肉汁が口いっぱいに広がる。はふっはふっと口から湯気を出しながら味を噛み締めてゆく。
うっ、うっまぁと誰かわからねささやきがみんなに聞こえる
「こんな美味いもんはじめて食べました。俺、絶対にこれ覚えてナイトさんに食べてもらう時はもっと美味くなるよう頑張って見ます。」
よかった 気に入ってもらえたようだ
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