第108話上手に焼けましたー

さて、和食にしようと決めたのはいいが、この3つでなにをしようかな。とりあえず米を炊く用意しとこう。


「料理長すまないが、魚介類とかのあまりがあるなら見せてもらえないだろうか?」


「魚介類の余りか、少しだがこっちにあるはずだ、なにを使うかわからんし、坊主が見て選びな」


どんな、魚介類があるかなー?出来たら出汁に使えそうなやつがあると嬉しいんだけどなー。


「ほれ、コレがいまある魚介類だ、使えそうなやつはあるか?」


俺は、さっそく魚介類を確認することにした。残った魚介類は、小ぶりな魚が数匹と海老みたいなやつが2匹あった。そうだ、この海老なら出汁にもなるし、身をつみれにすれば味噌汁に使える。米を使うならおにぎりにしてみようかな。味噌に醤油あるから2種の焼きおにぎりと塩おにぎりにすれば、色々楽しめるだろう。


「決まりました。今回はこれを使って料理しようかとぜひ、楽しみにしてください。」


俺は、用意しておいた米を炊き始め、その間にエビの殻を剥き、頭と身と殻に分ける。殻は軽く焼いて香ばしい出汁がでるようにして、頭からはエビ味噌を取り分け、身を叩き少し形が残る程度にして、丸めて茹でたら歯ごたえがしっかりしたつみれになる。


米もいい具合に炊けてきてる、この香りだよ、この炊きたてから感じる甘い匂いがたまらない。蒸らしてる間に味噌汁を仕上げていこう。香ばしく焼けた殻を茹でて出汁を取り、味噌を入れて味見をする。うん、エビの風味も出ていて正直やばいくらい最高の出来だ。あとは、米が炊けたらおにぎりだな。今回の焼きおにぎりの味噌には、隠し味でエビ味噌もくわえるから風味はバッチリだろう。焼きすぎないように気をつけよう。


さて、米も炊けたし熱々だが、熱いうちにしっかり崩れないように握るが、固めすぎても美味くないから食べたら自然と口の中でほぐれる感じを意識して握っていく。握ったものを並べ炭火を用意して重ならないように焼いていく。

 まずは片面を焼きひっくり返したら醤油を軽く塗り焦げないように気をつけながら塗ってはひっくり返しを繰り返し、香ばしいおにぎりに仕上げていく。味噌も同様に焼いていく。よし「上手に焼けましたー」一度は言ってみたいセリフだったんだよな


匂いに釣られたのかキッチンに残っていた人が集まりこちらをチラチラと見ているのを感じる。めっちゃ見られてるよな。気にしていても仕方ない。まずは出来上がったご飯をみんなで、食べよう。この匂いを嗅いでいるだけで、俺も腹がすいてくる。


「さー出来上がりました。今回作ったのはおにぎり三種と海老の味噌汁になります。」


「ふむ、あの食材から出来上がったものがこれか、では私にも食べさせてもらってもいいかな?」


「はい、どうぞ。多めに作ってありますのでぜひ食べていただいて感想をもらえたら。さーみんな食べて明日に備えよう。簡単なものですまないがそこは許してほしい」


「どれ、このスープからいただこうか。ズズっズーほうこれは美味いもんだな。香ばしい香りでありながら心が落ち着く味をしている。そして、この三角の形のものは、ほー外は、カリッとしているのに中は食べると口の中でほどけてなんとも言えない旨さがあるな。しかも、この茶色のものと、味噌汁はなんとも相性がいいな、こちらからも海老と同じ風味があって非常に美味い。うん、流石だな。王が認めるだけある。これならば・・・よし、決めた。ナイト、明日の祭典に出す料理をお前もだせ。メニューは任せるから会場に来た客を驚かせてやってくれ」

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