第107話出会ってしまいました
明日が祭典ということもあり、今日は挨拶だけと言うことにした。リザとヴィオラが話したそうな目をしてこちらを見ていたが見てないふりをした。
だって話し合って意気投合しちゃったらいつ終わるかわからない創作会議が始まるのが目に見えていたからだ。
俺も、流石に今日は疲れたので早めに休んでおきたい。何もおこらないだろうが、祭典では色々な、人が集まる。もちろん、普段なら目にすることもできないようなVIPも来てる可能性が高いので、明日に備えて体調は、万全にしておきたい。
次の日の昼過ぎ本来なら祭典の為に着替えたり、色々やる予定だったんだが、何故か、俺はなんとも立派な厨房に立って数人の料理人の前に立っている。解せぬ、なぜ俺は今ここに立っているんだ?
それは、昨日の夜に遡る。
さて、休む前にみんなでご飯食べておきたいな。厨房を借りる事は、できるんだろうか?ディスに聞いてみよ。
「ディスすまないが、今からこの城のキッチンを借りることは、できないだろうか?みんなで休む前に腹ごしらえをしときたいんだが。」
「キッチンですか?今の時間でしたら多分話せば大丈夫だと思いますが、明日の祭典の仕込みもあるかもしれませんので確実とは言えないです。すみません。」
「なら、確認だけでも頼めないだろうか?もし借りれたら、ディスとの出会いの記念も含めて食事に招待したいんだが」
「分かりました。ありがとうございます。それなら、急いで確認してきますね。ちょっとお待ち下さい。」
もしキッチンを使えたらこちらの食材とかちょっと見てみたいな。珍しいものもあるかもしれないし。
「おまたせしました。すみっこの方でもいいなら、貸してくれるそうです。ただ、明日の祭典の仕込みもあるので邪魔にならないように気をつけてくれと。」
良かった。借りることが出来たのなら問題無しだ。さっとを作って邪魔にならないように戻ろう。
キッチンに向かい料理長らしき人に挨拶をしに向かうと。
「お前さんがキッチンを借りたいと言った坊主か?王から聞いてるぜ、なんでもお前さんなかなか面白い物を作るそうだな?キッチンは貸してやるから俺にも、作るとこをみせてくれないか?なんなら、材料も提供してやるから、面白いものを作ってくれてもいいぞ」
へー 材料の提供か助かるな。それに、見せてもらえるなら遠慮なく吟味できる。そこから、なんか珍しいの作れば料理長も満足してくれたらいいが。
さてなんか面白い食材はあるかなー?この辺は、普段から見るものだな。これも、あまり見たりはしないが、そこまで珍しくはない。んっこの奥の樽と袋には、なにがあるかなー?開けるとそこには赤黒い固形物があった、しかしその匂いは、俺が知る懐かしさを感じた。スプーンで少し取り分け口に含むと、俺は懐かしさのあまり涙が流れそうになる。まさか異世界で、この食材と出会えるとは。
俺が、懐かしさを感じた食材は味噌だった。味噌があるなら醤油もあるかもしれないな。これなら和食を再現出来るかもしれない。
「ほーなにか見つけたか?それは、確か東の国から届いたものだったな。他にも何種類か来てたはずだな。それを使ってなんか作れるのか?俺は、その材料を使ったことないなら作れるなら作ってくれないか?」
そうだな。俺なら味噌を扱うこともできるし、なんか作ってみるか。でも、味噌があるなら醤油もないな。
「すまないが、この国からのやつで真っ黒な液体がなかったか?」と料理長に確認すると。
「黒い液体か?ちょっとまってな」料理長が離れ液体調味料をまとめているとこに向かうと、瓶に並々と入った液体を持ってくる。その液体の味を見せてもらうと、手をつい握り締めてしまった。まさしくこれは、醤油だ。味噌に醤油があれば料理の幅は限りなく広がる。料理長をびっくりさせてやるぞ。
あとは、その袋にも面白いものがありそうだなー、さーその姿を見せてくれよ。俺は袋を広げ中を見ると白い粒がぎっしりと詰まっていた。袋から少し取り出しよく見ると形は違うがきっとこれは、米だよな?現代日本の米は色々研究されて今の形になったはずだ。それでも米に違いない。よし、料理長が食べたことのない和食で驚かしてやろう
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