第103話王からの頼み
「そなたらは、この国を見てどう思った?」
この国を、みてどう思ったかか?城下町を、見ただけだが
「大変にぎわいのある、いい国に思えました。城下町では、この国の特産であるドワーフ特製の装飾品や鉱石の原石を求めて色々な国の人間が集まっているように感じます。」
「そうじゃろ、我々ドワーフ一族は作ることに関してはどの一族にも負けないという自負があってな。みな自慢の品を世に出している。鉱山からの採掘もその一つじゃ、鉱石の細工もするしの。皆がこだわりを持ちすぎて今では、手にすることが難しいものもあると聞く。だが、そのこだわりが仇になってしまったのじゃ。」
王はこの国に起きていることを知っているようだな。事情が分かれば解決出来るかもしれない。
「我が息子第一王子のところに一人の女が訪ねて来たのじゃ。その女は、ここより東に進んだ先にある森に住むダークエルフの、女じゃ。その姿は大変美しく一目見たものは、男も女も関係なく息を飲み込み見惚れてしまう姿をしておった。わしも見た時は本当に美しいと思ったしの。だがその目は明らかに普通では無かった。狙いもまったく読むことが出来ない。そんなことは初めてじゃった、わしの本能はやばいと感じたのじゃが、その時には、すでに手遅れで国を運営する者のほとんどが、その女と第一王子の手に取り込まれてしまっておったのじゃ。
無事だった者たちでなんとか今まで踏ん張ってはいたんじゃがそれも限界に近いのが今の状態じゃ」
なるほど、第一王子のクーデタではあるが、本当の敵はそのダークエルフの女ってことだな。国の中数を担うものがあちら側にあっては国を維持するので精一杯だったわけだ。
それでも、よくここまで耐えれたと考えたらいいのかな。そして、最後の最後頼りに友である人族の王に祭典と称して救いを求めたのが今回の真相なんだろうな、このままにしたら、ダークエルフがなにをしでかすかわからないし、ドワーフの力を使って変なものを作り出されては迷惑だ。今ならまだ間に合うかもしれない。みんなと、頑張って解決して本当の観光を楽しむとしよう。
「此度は我が国の問題に巻き込んで本当にすまないと思っておる。だがここで止めねば、さらなる不幸が国の民達にも広がってしまうやもしれない。どうかそなたたちの力を我が国に貸してもらえないだろうか。解決した際には、可能な限りの報酬と上級鍛冶師への繋がりを持てるように約束しよう。我が国の民の為にどうか頼む。」
これは、受けるしか無いな。上級鍛冶師への繋がりは絶対にこの先必要になることだ。頑張って解決しよう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます