第102話王と謁見
やっと着いた。険しい山を超えた先にあるから、ここを乗り切るまでが、大変だった。周りは山に囲まれ外から攻め込むのは、大変そうな国だ。
来るまでに会った人に情報を聞くと、どうやら王の息子である第一王子が異様と思えるほど軍備強化に力を入れているそうだ。周りでは他の国に戦争を仕掛けるのでは、父である王を倒し今すぐ打倒して国を手に入れようとしているとか話が出ているようだ。
うん。厄介事は間違いなく決定だな。軍備の拡張かー、なにかと争うためだよな、普通は。だが、何と争う気でいるんだ?この国の王子は王と戦うつもりならもっと隠れて軍備強化しないとおかしくないか?バレバレの軍備強化して警戒されちゃ意味がないだろうし、なら周辺の国と争う気でいると考えるのが妥当だよな。あとは、城に行かないと分からないな。今はとりあえずティナを、城まで護衛して最初の任務を果たそう。
俺たちは、まっすぐ城に向かいながら城下町を過ぎていく。なるほど、確かに凄い人気があるようだな。色々な国から装飾を買いに来たであろう団体がちらほら見える。きっと国に帰ったら凄い額で売れるんだろうな。
街を見る限りでは不穏な空気はあまり感じないんだがな。この国になにが起きてるんだろう。
城に入るとすぐ王への面会が可能になった。街に入った時点でこちらを、確認して用意していたそうだ。
「よく来てくれた人の子よ。そちらのきれいな幼子は我が友の娘だそうだな。友の娘なら我が友と同じく我とも友だ。気兼ねなくこの国で過ごしてくれ」
凄いな、ドワーフの王はこんな気軽な王なんてどこを探してもいないぞ、だけどその目の奥はこちらを見極めようとしっかりこちらを見据えている。気軽な空気を出すくせに油断出来ない人だな。やはり、王だからなんだろうな
「ふむ、悪くないな。そこの護衛、名をなんと申す」
んっもしかして、俺のことかな?なんかしでかしたか?
「我が名はナイト、ティナ様の護衛を務めています。この度はドワーフ王への謁見出来たことに感謝しております。」
「よいよい、それにその口調もやめて良いぞ、なに多少のことで無礼討ちなどしないから安心せよ。それにお主は、最初の軽口を聞いてもなお、警戒を緩めなかった。大抵のものは気が緩み口が軽くなるものだが、そなたは、そんな気配を少しも出さなかった。見事なものだ。」
本当によく見てるな。警戒を緩めてなかったのがバレバレみたいだ。
「では、お言葉に甘えて。あなたの目は、口が軽い割にこちらをしっかり見極めようとしていた。王として見事だと感心しました」
「そうじゃろそうじゃろ、王になると人を見極める目をもたんといけんからな。そんなそなたなら信用は出来そうじゃな。そなたらの真の目的にも関係するかもしれん。どうじゃワシの話をきいてみんか?」
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