第98話やっぱり非常識

ドワーフの国へ向かって二日目、初日は村で泊まったので野営はしなかったが、今日は野営が必要になりそうだ。


「みんな、今日の夜なんだがこの先進んでも村とかに着くのは厳しいので、広い場所を見つけたらそこを野営地としたいがいいだろうか?」


「ティナ様の負担にならないなら私達は、構わない。君のことは、国王様とティナ様から色々聞いている。色々非常識なとこがあるが悪いことでは無いので安心してくれと。そして、可能なら常識を教えてやって欲しいと頼まれている。なので、今日の所は君の野営を見せてくれないか?その代わり、今日の夜の見張りは、我々5人でやらせてもらう」


俺は、いつも通りやるだけで夜を休ませてもらえるならありがたいな。それに、確かに本来の常識的な野営も知っておきたい。それにしても、王様もひどいな、非常識な人間扱いだもんな。おれは、快適を

求めただけなのに。


「分かりました。野営の準備はこちらでやらせてもらいます。夜の見張りはお願いします。」


俺は、騎士の代表の人に挨拶してから、今日の野営地に行けそうな場所を探しながらまたみんなで進み始めた。


ようやく野営地にいいなと思うとこを見つけた。さっそく野営の準備をしよう。早くしないと暗くなってしまうからな。

 俺は、まず円状に大きく大体の野営地の場所を決め、補給部隊のみんなと一部だけだけ残して、穴を掘り進めていく。これで通路は一箇所だけになり守るのも楽になる。

 その後はいつもの小屋を出すと、補給部隊のみんなが、新しい小屋を自分達と騎士団の人達の分作るのでお風呂とご飯をお願いされた。本当に補給部隊の人はたくましくなったな。それなら、ご飯とお風呂で期待に応えてみせよう。


今日のご飯は、以前人気だったオークの生姜焼きもどきと汁物で豚汁もどきにしよ。生姜焼きはかなり人気だったから豚汁も大丈夫だろう。穴だけ掘ったらお湯はアリアにお願いしよ。今回のお風呂にはヴィオラと一緒に作った薬草を組み合わせて作った入浴剤を試してみよう。安全はしっかり確認したが、好みもあるだろうから次回の参考にしたい。


オークはここに来るまでに2回遭遇したので、倒してアイテムボックスで解体しているので充分に肉はある。生姜焼きは贅沢にちょっと厚めに作り、豚汁の方は薄めにしてたくさん肉を入れてあげよう。騎士団の人はよく食べそうだし。


料理は、もう最終段階だから大丈夫だろう。補給部隊の方は、どうかな?


「我々はなにを見せられているんだ?非常識なのは、あのナイト一人じゃなかったのか?野営でこんな小屋を1から作るなんて聞いたこと無いぞ。しかもスピードが早すぎる。なんの素材で作ってるんだ?ちょっと触らせてもらったがかなり頑丈そうだったぞ。あちらでは女の子が大量の水を出してそれをお湯にしているし、非常識だらけの集まりじゃないか。」


「騎士団の皆様は今回が見るのはじめてでしたか?私達、補給部隊もはじめて見た時は、驚きましたね。しかも、あの小屋やお風呂を何回も体験してしまうと、もう抜け出すことが出来ず、それで補給部隊の方でも、ナイト様に基礎を教わり、今では、あのように非常識と言える人間の出来上がりです。きっと今回の旅が終わる頃には皆様も・・・・ねっ」


「確かに、普通野営といえば狭いテントで仲間が集まり寒いのを耐えながら、体を水で、ふいてきれいにして、見張りの時間まで休むものだが、これは、寒さなど気にならないし、狭くなく、しかも暖かい風呂がある。こんなもの一度でも、経験したら快適すぎて今までの、野営など不可能だ。私は、ナイト君を甘く見すぎていたようだ。」


んっなんかボーナスさんと騎士団の人が話しながらこちらを見てため息をついてるな。なんかあったんだろうか?そうだ、きっとお腹が空いたんだな、いい匂いもしてるし。早く仕上げて食べさせてあげよう

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