第87話やから現る

拠点に戻り、俺は早速魔道具を試してみる。最低でも魔道具一つあたりの有効範囲、持続時間を調べ、そこに複数使った場合のパターンも調べなくては、これが、出来れば快適な生活に前進は間違いない。


俺は城内での戦闘訓練やティナの手伝い以外は魔道具の性能チェックに時間を割いた。その結果、出来たレポートは、30ページを超えた。機能性はもちろん、メリット、デメリットまで考え更には、デザインなんかも細かく記した最高の出来上がりだ。


次の、時間が空いた時にでもレポートを持って行ってみよう?


3日後、俺はレポートを持ってまた、魔道具店に向かったんだがなにやら騒がしい。店の周りには人だかりが出来ていて、中の方から喧嘩声が聞こえてくる。


そっと周りの人に混じって中を見てみると。


「だ~か~ら~そんな契約した覚えがそもそもないし、私の前は、ばーちゃんだからありえないの。どう見てもこんなん偽造じゃん」


「んなこと知るか、お前は、とにかくこの契約書に書いてある違約金を払えば良いんだよ。払えないってならいい店を紹介してやるから「」


なんかわからんが、嫌がらせを受けていて、金を出さなきゃあんなお店にご招待ってわけか。

 

どこにでもこんなやつはいるもんなんだな。しかしそうなるとあいつ等邪魔だな。せっかくレポートまとめて持ってきたのに話せないじゃないか。


仕方ない、ちょっくらOHANASIしようか。悪いのはあいつらだ。俺は、悪くない。


「あ〜すみません、ちょっとこの店に用があるんですが」


「あーなんだこのチビ〜ぐうぁ」


「あ〜俺はチビじゃね〜ガキならともかくまだ成長期なんだからこれからデカくなんだよ」よし、逆ギレ作成成功とにかくキレて話を有耶無耶にして相手をぶっ飛ばせば問題解決だ。


「あっこの前の、無茶しちゃだめだよこんな奴らヴィオラの作ったタタナークなるとかクサくなーるとかぶっかけて街を歩けなくしてやるんだから」


おーなかなか物騒な薬品だな、何かの失敗作だよな?狙って作ったならなんか恨みとかヤバそうだな。ヴィオラはきっと前に話した錬金術師のことなんだろうな。


「ふざけんな。なんだよその物騒な薬品はお前らは、素直にこっちの言う事を聞いとけば良いんだよ」


はーきっとコイツラはこれで話は平行線なんだろうな。もう面倒くさいから追い払ってしまおう。


ガシャーン店内に瓶の割れる音が響く。音のなった方を見るとどう見ても怪しい紫の煙がモクモクとヤバッあんな煙見たこと無いぞ。周りの人間も一目散に去っている。


「大丈夫、ただのこけおどしの煙だから、ツンとするだけで」


俺の後ろからいきなり声が聞こえた。髪が長く黒いワンピースを着た女性がいた。この子がヴィオラなのかな?いきなりでちょっとびっくりしたわ。

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