第88話 共同制作しよう
「あ〜もう何なのよアイツラまったくあんな意味の分からない書類なんか用意してそんな契約したことなんかないっつーの」
うんご立腹ですね。顔がリスやハムスターみたいに頬を膨らませて。
「改めて紹介するわ、こちらが私の友達で錬金術師のヴィオラよ。基本人見知りな性格だから無口なとこは許してあげて、悪気はないの」
今回のことは、見たままだったんだが、やからがいきなり現れて違約金を払えないなら体を売れと言ってきたそうだ。もし、あのまま俺が、現れなかったら本気でやばい薬品をぶっかけてやるつもりだったらしい。本気でやばい薬品もあるんだな、どんな薬かは聞かないでおこう。
「まーとりあえず今日は、終わったことだし、ここに、来たってことはレポート作って来てくれたのよね?早く見たいわ」俺は、早速渾身の出来のレポートを渡す。あれっなんか顔色が
(えっなにこの枚数?これだけ書くことあるの?私のダメダメだったの?すごく褒めてくれたのに。んっなにこれ?凄い効果範囲や持続時間とかこんなに詳しく調べてくれてるし、改良案や、デザインなんかもこんなに書いてくれたんだ)
顔が青からだんだん戻って赤くなってまるで信号機みたいになって面白いな。レポートはどうだろうな?真剣に色々書いてみたんだが。
「ねー私できるかな?こんなに詳しく調べてもらって更に改良案やデザインまで、私作ってみたい。きっと最高のものになるの間違いないよ」
良かった。彼女は俺の案を気に入ってくれたみたいだ。
「きっと出来るよ。いや、出来るまで付き合うから最高のやつを作ってみせようぜ」
「あらっ二人だけでそんな面白いことするの?私は、混ぜてくれないのかしら?」
横からヴィオラがムスッとした顔で話しかけてきた。
「そんなことないよ。私には、ヴィオラが必要だよ。ヴィオラの作ってくれたやつで魔道具だって出来るんだし。これからも頼りにしてるんだから」
本当に仲が良いんだな。こんなに笑顔になって、それに、ふたりともやる気が出ているのがわかる。きっとこれなら予想以上のものが出来上がるのも夢じゃなさそうだ。
「俺も、出来る限り協力を惜しまない。3人なら最高以上のものが出来上がるはずだ。頑張って作って見せようじゃないか。」俺たちは、手を組み作り上げることを決意した。
こんなノリも悪くないな、これから楽しいことになりそうだ。だけど、あのやから達が一度で諦めるとは思えない警戒もしておこう。絶対なにかやらかしにくるはずだ。
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