第65話王の謝罪と感謝
「此度はすまぬ、なんの罪のないお主を誘拐犯扱いしてしまって」王が頭を下げる。
いや、そんな普通に謝られたら怒りの矛先どうしたらいいんだよ 調子狂うな。
「アリアは、大丈夫なのか?」俺は、姿の見えないアリアが心配になり、問いかける。
「はい アリアは、無事です。今はまだ私の部屋で眠ってもらってます。もうじき目が覚めるかと。」
よかった これで全員無事みたいだな。目覚めの時間が分かるとか言ってるからなんか薬でも盛ったんだろうか?
「レイ様も多分気づいたと思いますが、今回はなるべく騒ぎを立てずに城に入りたかったので薬を盛らせていただきました。私が無事に着たとなると姉たちが変に動き出す可能性がありましたので、警護される状況にしたかったのです。たくさんの視線がある中で姉たちも無理な行動はしないでしょうから。」
「ワシも姉たち二人の行動には不審なとこがあるのは分かっていた。だが、ワシ自ら動いてしまったらすぐにバレてしまい逃げられる可能性が高かったのだ。しかも、国の重鎮の一部もどうやらあやつらの手の中にあるようで逃げられたら国の運営も危うくなるのでな。ティナに申し訳ないが動いてもらったわけだ。」
なるほど、王自ら動いたら逃げられる可能性が高いならティナならまだ油断して返り討ちに来ると予想しての行動か。 王が席を立ちこちらに寄ってくる。そして、肩を抱かれ抱きしめてくる。いやいや、俺はそんな趣味ないぞ。どうせならまた、アリアに抱きついてほしいんだが。
「先程は王としての謝罪だが今は父として謝罪と感謝を受け取って欲しい。ティナの命を助けていただきありがとう。君がいなければまたティナと会うことが出来なかった。それに村人を救ってくれたそうだな。我が国の大事な国民だ。助けていただき感謝する。この礼は必ずする何でも言ってくれ」
よし、これならこちらの要求も通りそうだ。
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