第64話 ティナの策略

「おい、この誘拐野郎と仲間のババアを牢屋に入れとけ」痛いなー しかもメルヴィスをババアだとそんなこと言って後から知らねーぞ。絶対メルヴィスは顔を忘れないぞ。しかも、俺たちは完全に無罪だしな。ティナを助けて王都に、連れてきたんだからお礼をされる側のはずだ。


とりあえずティナが目覚めて誤解を解いて、俺たちを早く解放してくれるのを望むばかりだ。


ふーそれにしても、まさか誘拐犯扱いにされるとはな世の中分からないものだ。まっ今は解放されるまで一眠りしとくか。


「おい、起きろ!誘拐野郎、王様が直々にお前の罪をさばいてくれるそうだ。普通に生きていれば直接会う機会のないお方だ。冥土の土産に持っていくんだな」


な、なに?話を聞く前に処刑確定なの?ひどくない、まずは話を聞こうよ、よしこうなったら直接抗議してやるわ。おらっ連れてけや


俺は、両手を縄で縛られ猿ぐつわの状態で連れて行かれる。部屋に着くと中央で膝まづかせられる。

そのままの状態でしばらく待っているとやっと王様が来たらしい。ようやく来たか、待たせやがって冤罪の俺にたいしてこの仕打ちまともな理由が無かったら王様でも許さねえからな。


「皆のもの下れ、このものと二人で話したい。処罰もワシがやる。カワイイ娘を誘拐した罪つぐわせねば気がすまん」


王の号令の元どうやら二人になったようだ。何のつもりだ?わざわざ二人になって本当に俺を自らの手で殺すつもりか?


「レイよ顔をあげたまえ そのままでは話ができぬ」


俺は顔をあげて王を見る。そこには王らしき凛々しい男と横にはティナがいた。


「ティナ早く猿ぐつわと縄を解いてあげなさい、この状況の説明をしてあげねばならん」


ティナが駆け寄り解放してくれた。そして、泣きながら抱きつきごめんなさいと何回も謝罪してくれた。


どうやら今回のことは、姉二人を騙すためのティナの策略だったらしい

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