第44話 人助けをする 出会いは大切に2

残る一匹は、ちょっと練習に付き合ってもらうか。 


俺は、持っているスキルから影繰りを、繰り出す。このスキルは対象の影に干渉することにより、動きを止めたり体を操ったりすることが出来る。


影縛りというスキルがあるが、これは相手の動きを止めるのに特化したスキルと言えるだろう。なので影繰りは、影縛りの上位互換と言える。


倒れていたエアーグリズリーも復活して、こちらに殺気を向けるエアーグリズリーに意識を向けて影繰りで動きを止める。エアーグリズリーは動けなくなった体に驚きながらも必死に動こうともがいている。


そうだよな、モンスターのお前だって生きてるんだから死にたくないよな。だけど、おまえは同じく死にたくない人間を殺したんだ。死ぬ覚悟がないやつが殺しをするな。せめてもの救いにお前も楽に死なせてやるよ。影繰りの練習台ありがとな 風刃


最後のモンスターも首が飛び、戦闘は終了した。さて生き残った人は、どんな人かな?髭の生えたおっさんとかは勘弁してくれよ。さっき聞こえたのはかわいい声だったし


人助けにいいも悪いもないが、せっかくなら美人な人や、カワイイ子を助けたいもんだ。


「周りのモンスターは、倒した 動けるものや生きてる人は出てきてくれ。動けない人は、声だけでも頼む」


「あっあの助けてください、馬車の中で動けなくて」やっぱりいたか 確認してよかった。


「怪我とかはないか?まーあっても応急処置くらいしか出来ないが」


「私は、大丈夫ですが もう一人が足を痛めて動けません」けが人有りね でも死ぬような怪我では無いみたいでよかった。助かった命が無駄になるのは悲しすぎるからな。


「ちょっと待ってくれよ それと、これから起きることは秘密で頼む」おれは、それを伝えると一息ついて『収納』と唱える。


 俺のアイテムボックスは、死んだものや、道具などは入るが生きたものは入らない。それを、今回は利用させてもらった。


二人は、収納によって消えた馬車の高さから落ちてしまう。プギャ あっ落ちるの伝えとけば良かったかな?まっ馬車から出れたんだし 良しとしよう


「助けていただきありがとうございます。私はこの国の第三王女であるユーディストラティナ 共に助けて頂いたのは、私の侍女であるユミルでございます。

 今回は、内密の視察の帰りに襲われてしまい護衛もいたのですが、内密であるがゆえに目立つことは出来ず、少数だったのが仇になりました。」


助けたのは、王女様か〜 なんかトラブルの匂いしかしないよな。しばらくは、静かに冒険したいんだけどな。


「あの、あなたが先程助け出してくれたスキルはアイテムボックスではありませんか?これでも王族ですので、珍しいスキルではありますが何度か目にしたことがあるのです。ここまで強力な力をみたのは初めてですが」


やっぱり俺のアイテムボックスは普通じゃないのか、合成で作ったスキルだから普通ではないとはおもったが



「なるほど だから秘密にと申したのですね。分かりました。 第三王女の名において命じます。

私の命を守りし英雄の、秘密は命を賭して守りなさい これは、王命と等しいと思いなさい。」


おー 流石姫だけあるな 貫禄あるわー だが、残念だなー話を聞いてるのは俺と侍女の二人だけだ。あそこまで言い切るなら、あと数人は観客欲しかったな いわゆる残念王女の類なんだろうな


「英雄様秘密を守るだけでは命の対価には程遠いです ぜひ王城にて見合う報酬はもらっていただきたいのですが、そのですね、えーと申し訳悪いのですが、護衛もこの度の件で失ってしまい」


あ〜察したわ つまりあれだろ 王城までの護衛を頼みたいんだろ だけど申し訳無くてお願い出来ないと  ま〜王都には元々行く予定だったし、見捨てるのは簡単だが、こんな出会いはもう無いだろう


「ここで、出会ったのもなにかの縁だ 姫様達二人には護衛なしではキツイ旅になるだろう?良ければ護衛に俺を雇やといませんか?連れが二人いてもいいなら」

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