第55話 志歩の色仕掛けvs優の理性 3

「いつになったら戻ってくるのだろうか?」


志歩が俺のシャツを奪って、自分の部屋に逃げこんではや20分が経つ。


しかし、志歩が自分の部屋から出てくる様子は一切ない。


「志歩〜大丈夫〜?」


「…………」


あまりにも長時間出てこないので不安になったので志歩を呼んでみたが反応がない。


部屋で倒れていたりしないだろうか?


志歩がここまで静かにしている事など滅多にないのでさらに不安になった。


(1回志歩の部屋行ってみるか)


そう思い俺はソファーから立ち上がって志歩の部屋へと向かった。


「志歩〜?」


「……………」


部屋に近づいて呼んでみるが返事は無い。


これマジで部屋で倒れてる説あるぞ。


俺は急いで志歩の部屋のドアノブに手をかけた。


「あっ!!開けちゃだめ!!」


その声が聞こえた時にはもう時すでに遅し。


俺はドアを開けてしまった。


そしてそこには、ベットの上で毛布を被りゴソゴソしている志歩の姿があった。


「なにしてるの?」


「ちょ、ちょっと待っててね」


志歩がぎこちない反応をした。


「マジで何やってるの?」


人が深掘りしないで欲しい話題を興味に負けて深掘りしようとしてしまう。


これは俺の悪い癖だろう。


そして今回はそれが顕著に現れた。


「あ、ちょっと!」


俺は志歩のベットに近づき、あろうことか志歩が被っている毛布を剥ごうとした。


しかし中々剥げない。


志歩が押さえている。


「ん?なんだこれ?」


ベットの端っこに何か布が置いてあった。


「え………」


志歩の毛布から手を離して、布を拾い上げるとそれが直ぐに志歩の下着だと分かった。


よく見ると毛布の端から俺のシャツがはみ出しているのが目に入る。


本来なら、俺はここで志歩が何をしていたのか察知するべきだったのだろう。


しかしここで察知出来るほど俺には女経験が無かった。


「あ、それダメ!!」


俺は志歩の声を無視して、毛布からはみ出ていたシャツを掴んで取った。


「なんだこれ………」


粘性のある液体が付いていた。


ヌルヌルしていて無色無臭。


そして俺はここでようやく全てを察知した。


「ごめん……」


俺はそれだけ言い残して部屋を去った。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


(あれ絶対に自慰行為してたよな〜)


リビングに戻ってきてソファーに座り、そんな事を思った。


「優くん……変態………」


丁度そのタイミングで志歩がリビングに戻ってきた。


顔を赤くしているので、俺の予想は間違って無いだろう。


「あのさ志歩、言っておくんだけど、俺は責任取れるようになるまで子供を作る行為はするつもり無いからね?」


夏休みに入ってからの志歩の様子を見て、今日で確信した。


志歩は俺の事をおとそうとしてきてると。


だが俺は志歩とそういう事をするつもりはまだ無い。


今、欲に負けてそういう事をして後で後悔したくないからだ。


「なんで〜?」


「来週からツアーとかもあるんだし、志歩の身体が1番大切な時期でしょ?」


「だけど…………分かった」


志歩も納得してくれた様だ。


少し反論してきたりするかと思っていたのだが、元々本心では理解していた様だ。


良かった……と言いたい所なのだが、さっきのが原因で俺の性欲がヤバいことになっている。


「な、なぁ、志歩。あんな事言ったそばから悪いんだけど……少しだけ良いか?」


「いいよ」


俺はそう言って志歩を優しくソファーに押し倒したのだった。



後書き


ここ最近、エロ描写が少し多めになってきた。

投稿遅くなってすいません!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る