第23話 マッサージ
「あれはどうゆうこと?ゆーくん?」
「いや、違うんですよ」
俺は家に帰って正座させられていた。
俺はただ同調しただけだ。
断じて女子たちをそういう目で見てはいない。
なのに何故だろうか?
すごい罪悪感を感じる。
旗から見ると、浮気をしたのが彼女にバレて問い詰められているような構図だ。
実際それに近いっちゃ近いんだが。
「今後クラスの女子達に変な目向けないでよ!!」
「はい。もう本当にすいません」
「別に怒ってなんかないよ、でも!ゆーくんは私の許嫁なんだから私だけ見てればいいの!!」
「よくもまあ堂々と小っ恥ずかしくこと言えるね?」
「事実だもん!!口答えしないで!!」
「束縛系彼女とはこのことか…」
正確には束縛系許嫁だが。
「そんなに言うなら教室での会話の内容バラしちゃおっかな〜?」
「それだけはやめてください。俺の尊厳がなくなります」
それ言われると、俺のクラスの男子全員の学校生活が終わるぞ。
「元々尊厳なんてないじゃん」
「……………」
志歩さん、事実でもそういう事言われると人って傷つくんですよ。
「よし!じゃあ、会話の内容をクラスLINEにーーー」
「やめて!?」
「じゃあ罰として私をマッサージしてください。さもなくば会話をLINEで公開します」
「お、おどしだ……」
「よし、送ーー」
「やらせていただきます」
「じゃあまず肩を揉んで?」
「はい」
そう言われて肩を揉もうとし、後ろに立った座った時に気づいた。
(こいつまたダボダボの服着ていやがる!)
要するに、胸が丸見え。
「まだー?」
「わ、分かった今揉むよ」
肩を揉み始めるともう一つ問題が発生した。
「んっ、んっ」
力を入れるたび志歩が嬌声をあげるのだ。
俺の理性の壁は決壊寸前だった。
だってさ?胸が丸見えで嬌声あげてる現役アイドルが目の前にいるんだよ?
無理じゃん。
でも下手な事して志歩を傷つけたりしたら俺も死にたくなるし、何より志歩の親にも向ける顔がない。
信用してもらってる以上その信用には応えなければ!
(3.1415926535………)
頭の中で円周率を呪文の様に唱えて理性の決壊を防いだ。
30分後……
「すぅすぅ」
「マジで赤ちゃんみたいだな」
また寝てしまった。
何でこんなに寝れるのだろうか?
リラックスしてる時いつも寝てる気がする。
寝る子はよく育つと言うが体だけ大きくなってしまったようだ。
俺はカップ麺でも作りに行くか。
そう思い立ち上がろうとした。
しかし志歩が俺の服の袖を掴んでいた。
このままだと立ち上がれないので志歩の手を袖から離そうとするが
「力強すぎだろっ、どうなってんだこれ」
びくともしないのだ。
指先で掴んでるだけなのに馬鹿力は何なんだろうか?
その後も試行錯誤したが、志歩の握力に屈して志歩が起きるまでカップ麺は我慢することにした。
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