第4話 そこでナンパ??

「あの子の両親が今日来るから少しお菓子とか買ってくるか」


嫌だとはいえど、決定事項はもう変えようがない。


俺は新居に一番近いスーパーに行った。


「でか...」


行ってみたらゲーセンとか、食品売場以外にも色々あってスーパーよりショッピングモールっぽかった。


迷いそうだったので、俺は建物内の図を見てさっさと食品売場へと向かった。


そして食品売場につくと何故か美少女がナンパされている光景が目に入ってきた。


「…朝からお盛んなこった」


(しかも食品売場でナンパって...)


普通は祭りとかでするもんじゃないのか?


ナンパしたことないから知らないが。


「俺たちならそんなところよりもっと面白い所連れていってあげるから」


「私は今から行かなければならない所があるんです。これは何度も言ったはずです。あなたの耳は腐っているのですか?」


おぅ... 中々の毒舌だな。


「は?なめてんのか」


流石に耳腐ってんのか発言にぶちギレたらしい。


「なめていませんよ?事実を言っただけです」


「このアマぁぁぁ!」


明らかに殴ろうとする感じで腕を振り上げた。


周りには俺しかいない。


無視したらあの子は殴られるだろう。


前みたいに後悔はしたくない。


「パシッ」


「は?」


「何しようとしてんだ?」


俺は一時期格闘技を習っていたので素人のパンチ程度なら止められる。


男はパンチを止められたことに余計イラついたのだろう。


「クソガキがっ」


そう言って今度は左手を振り上げてきた。


これなら正当防衛が使えるだろう。


そう思い俺は左手のパンチを避け、男の鳩尾にフルパワーのパンチを打ち込んだ。


「ヒュウ、ヒュウ」


見事に息ができなくなって四つん這いになってしまった。


しばらくすると呼吸が戻ってきたのか男は立ち上がった。


「覚えとけよ」


悪党が言いそうな捨て台詞を吐いて逃げていってしまった。


「大丈夫ですか?」


「怖かったですぅ」


あんなに毒舌でだったのに、急に泣きそうな顔になった。


「ナンパされたらいつも強気な態度をとった方が良いと友達に言われていたので虚勢を張っていたらああなっちゃいましたぁ」


「助けてくれてありがとうございます!」


「あれは強気な態度をとったというよりただ暴言を吐いただけな気が…」


「何か言いました?」


「いや、なんでもないです」


「お礼をしたいのですが、今からどうしても外せない用事があって、後でお礼したいからLINE教えてくれませんか?」


「いや、いいよ。今回助けたのは俺の自己満足だから。お礼は大丈夫だよ」


「そうですか…」


少しシュンとしてしまった。


「外せない用事の時間は大丈夫なんですか?」


「そこまで切羽詰まってはいませんが、今回は助けていただきありがとうございました」


「じゃあ。これで」


「そうですね、”また”会いましょう」


その後、俺は買い物を済まして昼過ぎに帰宅して許嫁になる人物を待った。


「ピンポーン」


ついにこの時が来てしまった。


「ごくっ」


俺は生唾を飲んでドアを開けた。


すると


「どうも。また会いましたね!」


開口一番元気な声が聞こえてきた。


ドアの間からにょきっと顔を出したのは、あのナンパから助けた女子だった。





後書き


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