【タケノコ物語】第二幕
噂が噂を呼んでしまってね。
身分に関係なくわたしに求婚してきたのよ。恋心を抱き、妻にしたいと思ったのね。
パパラッチやストーカー、セクハラ、なんでもありで四六時中私を見るために男たちが私を一目みようとするわけ。
「人で夢を見るのはやめて、自分に夢を見れば良い」のに、そんなことをしようとするものは少数ね。
それは、いまも大して変わらないのかしら?
パパラッチやストーカーをこの時代では「夜這い」と呼んでいたわ。
けど、そんなことしても私は動じないわ。
意味をなさないわ。
「ちちんぷいのぷい」で、姿をくらますことができるしね。
まるっきり、コミュニケーションを取らなかったわけではないけど、相手の求婚の思惑がみえすいているときは相手にしなかったわね。
時間が無駄だからね。
貴族の若者のお金持ちたちは、屋敷の周りに泊まり込んでいたわね。
あきらめの早いものは「無意味に歩いて回っただけで何も得るものはない」とちょっとだけ見直したわ。
その人達から「タケノコの刺身のパーティー」に誘われたら参加しちゃうのにね。
そんな中でも、ストーカートップ5(女好き)を紹介するわね。
・石作の皇子
・庫持の皇子
・右大臣阿部御主人
・大納言大伴御行
・中納言石上麻呂足
美人がいれば、すぐに行って行為を求める「お猿さん」ね。
食事もせず屋敷を訪れてうろうろするのよ。
手紙も書いて、長いポエムの詩を読んで無駄だと知りながら雪がふる冬でも日差しが強い夏でも、雷が鳴る日でも諦めないのよ。
そんなに執着して「もっと、違うことに時間を使えばいいのに」って思うわよね。
お爺さんに近づいて『姫を私に下さい』と懇願してね。
お爺さんは、自分の領域を超えている人だと受け入れてくれるようになって、
それは、本当に嬉しかったわ。
執着を手放すことができている証拠だからね。
おじいさんは『私たちの本当の子ではないので、私の思い通りにはならないのです』と答えてくれていたわ。
5人とも「私が自分のものになる」と念仏を唱え祈ってね。
「いつかは誰かと結婚させるはずだ」って妄想をしているのよ。
それが信念や誇りで強さだと思っているのね。
私から言わせると、ただの「頑固」
信念でもなんでもないわ。
第2幕は、ストーカー行為のしつこさの話ね。
恋愛(エロス)に執着することがよく分かるわね。
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