第104話 息子のバイト

諸事情により、アパートを引き払い

実家に戻っていた息子の バイトが決まった。

「まとめて何ヵ所か受けるとわかんなくなるから

 1ヶ所ずつ受ける」と、彼は言った。

気に入った所を見つけて応募。一つ目は音沙汰なしだった。二つ目は「面接来て」という連絡がすぐ来た。

面接に行って来た息子は「結果わかるまで10日位だって」と。てっきり「バイトは即決」と思い込んでいた私は『10日は長いなぁ』と思った。私ならきっと

『どうせダメだろう』と思い込み、別の所も探しただろう。しかし彼は、のんびり10日、結果がわかるまで待つつもりらしかった。

何か、そこをただ黙って待てるの、すごい才能だと思った。息子は私にないものを持っている。

『すぐには決まらないかな』とも思っていたのだが

何と、さっき電話が来て『採用』になった!

割と大手なので、まとめて雇って研修でもするのだろう。『入社日はいついつ』なんて話をしていた。

「週5.6回働いてお金を貯めたい」と言っていた。

何て頼もしい。

息子は高卒で入った会社がブラックで、酷い目に遇っていた。辞めて近所でバイトをしていた時も、こないだまでいた大阪でも「シフトにフルタイムで入れない」と困っていた。今度こそ、少しでも良い経験をしてくれたら良いなと思う。

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