第105話 帰って来た息子
彼は9ヵ月、大阪にいて 帰って来た。
気が気ではなかったので 帰って来てホッとした部分はある。だが、行く前に 大好きな彼女と長電話ばかりしていた、たまに彼女とケンカをすると青い顔をしていた息子はもういない。
ずっとあのままじゃもちろん困るんだが、何だか落ち着いてゆったりしている息子を見ていると 何か淋しい。
遠い昔飼っていた、女の子の猫ちゃんはとてもお転婆で うちの中で走り回っていた。ある日脱走したその子は、赤ちゃんを孕んで帰って来た。
4匹、違う模様の赤ちゃんを産み、ゆったり寝転んでお乳をあげている姿、その表情は 平和そのものだった。
自分が無意識に求めてしまっている物語りはこれで
でも全ての責任を子供たち本人が背負う事になるんだから、無責任に理想を押し付けるわけには行かない。
私に出来る事は余りにも少ない。
理想への近道は多分自分の作っている囲いから子供たちを出す事なんだけど、必ず良い方向に向かうって
保証はない。
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