第二十六話・・・夕食
〜〜前書き〜〜
どもう! 空野そらでございます!
特に話すことはございません! なので本編へどうぞ!
〜〜〜〜〜
玄関に着くと、二人はもう既に足を靴の中に収めており、準備万端と言う感じだった。
あまりにも早い身支度に
先導するように、俺は部屋の扉を開けて廊下に出る。続くようにして
そして俺たちが居た部屋は廊下の突き当たりのため、隣と言われれば一つしかない。
息を止めるかのように息を殺して、その部屋へと一歩、もう一歩と足を進めていく。やがて部屋の扉前にまだ来ると、俺たちは顔を見合わせる。
緊張がMAXだ。そりゃあ仕方ないだろう、だって喧嘩別れをして以来今日初めて会った父親に、血が通っておらず、会ったことも片手で数えられる程の義母との面会だ、緊張しない方がよっぽどおかしい。
恐る恐る扉の取手へ手を伸ばす。そして掴もうとした次の瞬間ーーー。
「あら〜、もう来たの〜? 早かったわね〜!」
「
掴もうとした扉の取手は部屋の中は吸い込まれるようにして遠ざかり、その代わりと言わんばかりに一人の女性……いや少女……幼女が現れた。
俺の腰下当たりまでの身長(俺の身長は大体175cm)に、室内の電灯によって照らされ、光沢が出ている長い金髪を有している。そして、俺のことを見上げて視線を送ってくる顔は雪のように白い肌の童顔。
まさに日本人と西洋人からできたハーフの幼女のようだった。
身長に関しては本当に舞より気持ち大きめ、と言う感じ。こんな幼女が親父の部屋にいると言うのは正に怪奇。親父の新しい娘かと思うほどだ。
しかし、この幼女に俺は何度か出会ったことがある。その時はまだ、親父と同じ釜の飯を買っていた時期だ。
同時に、親父に新しい妻ができた時期とも被る。
殆ど気付いているだろうが…………
そう、この目の前に佇む、童顔の持ち主で、幼女にしか見えない女こそ、親父の新しい妻なのである。
(やっぱり、親父はロリコンなのかもしれない……)
「おい、誰がロリコンだって?」
「なんで、俺の心の声が聞こえてる」
「いや、ダダ漏れだったぞ」
「もう、魁斗さんはロリコンなんかじゃないわよ? ちゃんと一女性として、わたしを愛してくれてるの」
「そうですか」
「お母さん、諒くんに詰め寄らない。お父さんも、こんな所で話さないで、中で話しましょう?」
「ん、そうだな、夕食も一緒にあるから食べながらでも話そう」
亜衣さんがこの場をなんとか制御したことでこれ以上の話は発展せず、一同部屋の中へと進む。
そんな中、俺は親父のことを訝しむように見つめる。
(親父は何が目的だ? 今まで俺に会おうともしてこなかったのに、いきなり馴れ馴れしく……)
そんな風に思考を加速させていると、俺の目に鮮やかに光る宝石のようなものが沢山映る。それと同時に「わぁ〜」という興味が惹かれているような声が横から聞こえてくる。
それは、机一杯に敷き詰められた料理の品々で、和風の物から洋風、中華など幅広い。鯛が丸ごと置いてあったり、小さい木造船のようなものの上に数々の刺身と野菜が載っている。他にも沢山あるのだが、挙げていたらキリがない。
俺たちは机の前に腰を降ろすと興味津々に見つめる。
「さ、味が落ちないうちに食べちゃいましょ」
幼女(親父の妻)による声で、各々合掌させ、「いただきます」と掛け声をする。
そして机に置かれた料理から取捨選択を行って、最初に頂く品を皿に盛り付ける。
そんな様子を呆気に取られた様子で眺めていると、対角線上に座っていた親父に声を掛けられる。
「なんだ? 食べないのか? すごい美味しいモノばっかりだぞ」
僕はそれに言葉を返さずも、その言葉に背中を押されたように料理を自分の皿は盛り付けていく。
最初に頂くのは鯛の刺身。醤油を少々付け、ワサビを箸で上に載せるとゆっくりと口の中に入れる。
そして一噛み。溶けるかのように柔らかく、生臭さもない味が口一杯に広がる。そしてもう一噛み、また一噛みとしていくと、ワサビのツーンとした鼻を突き抜けるような辛さが襲ってくる。
それも相まってか、非常に美味しく感じた。多分今まで食べてきた刺身の中で一番かもしれない。
俺は止まることを知らないと言わんばかりの速さで様々な料理を平らげていく。
30分ほどだろうか、机一杯にあった料理の品々はもう殆ど残っておらず、残っているのはハマチの刺身と枝豆位だった。その二つもリミッターが解除された俺の前では抵抗出来ず口の中で踊らされるのだった。
夕食を食べ終わった俺は休憩がてら部屋に付いていたベランダのような所の柵にもたれ掛かり、すっかり日が沈んだ空を見上げていた。
するとガラガラガラ、という扉の開く音が聞こえ、視線をそちらに飛ばす。
そこには微笑んでいる親父がいた。俺は咄嗟に身構える。
「そんな身構えなくてもいいだろ? お前の父親なんだし、それに僕は諒に話があってきたんだ」
「……話?」
「まあ、そうなるかな? って言っても僕からじゃないけど」
その発言に僕の頭は混乱の色が見え始める。
「どういうこと?」
「諒、お前なにか話があるんだろう? そうでなきゃ、易々と俺の前に姿を現さない筈だ」
親父にはバレていたようだ。それなら話が早い、と俺は早速本題の話を切り出すことにした。
「……じゃあ聞くけど、親父は喜入っていう名前について知ってるか?」
「喜入、か。久しく聞く名前だな。いや別にそう言うわけではないか、直近でも耳にしたな。たしか……攫われた少女だったか」
親父の口からその言葉が出てきたことで、俺の確信はさらに深まった。親父が、喜入の失踪について何か情報を握っているのではないかと…………。
〜〜後書き〜〜
どもう! 前書きで話すことがないと言いつつ後書きでは沢山書くんでしょ?と思っているそこのあなた!! いや、本当にありやせんのよこれが……。
ですが何か話さないと行けない義務感に駆られているので、少しお話を。
今回のお話久しぶりに2000文字を超えたんですよね、近頃1100とか、1500とかが普通になっていたので非常に嬉しいです。
(……やべぇぞこれ、本当に話すことがない……。)
ま、まあ他にも話すことが沢山あるので、それはまた次回ということでっ!
それではいつもの締めへと向かいましょう!
誤字脱字、感想等は気軽にお寄せください。
ではまたお会いしましょう!
あ、決してロリコンとかじゃナイカラネ!!
〜〜〜〜〜
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