第二十五話・・・メール
ある程度荷物の整理が終わって一息ついていると、日がとっくに暮れているということに気付き時間の進む速度が速いと思う。
二人は親子さながらといった風に体を密着させていた。その光景が非常に微笑ましく、無意識のうちに口元が緩んでいた。だが、もう少し亜依さんにはしっかりとしていて欲しいものだが、疲れてしまったものは仕方がないかと結論を出しておく。
ふと気になったのだが、ここでの夕食はどうなっているのだろうか。ここの旅館にて食事を摂るのか、それとも近くにある飲食店で外食にするのか。どちらでもないのであれば、コンビニで何か買うことになるのだが折角の遠出だ、コンビニ以外で済ませたい。
ただ、これに関しては親父に聞かなければ分からない。そのためどうしたものかと溜息を吐く。
ん~と頭を悩ませているとピロン、というメールの電子音が聞こえて来る。その音に釣られるようにテーブルの上に置いたスマホに目をやるとロック画面に初期アイコン、それから出ている吹き出しに「隣に来なさい」という一言が表示されいた。
頭の中が疑問符で埋め尽くされたのは言うまでもない。いきなり知らないアイコンからのメールだ、仕方がないだろう。俺はすぐさまスマホを手に取ってメールアプリを起動する。
普段からあまりメールが来ない俺のメールアプリにて新着メールを見つけるのは大人がハイハイするほど簡単だった。
初期アイコンの隣に表示されている名前には「
その魁人と言う人物は、苗字に書いてある通りの事だが、俺の実の父親だ。
そんな親父からの急なメールに困惑しつつも、ここは従った方が良い気がして、身支度をする。すると、またもや電子音が聞こえ、メールに視線を飛ばす。そこには「二人も連れてこい」と先ほどのメールに付け加えるように送られてきた。
大事なことは一度に伝えて欲しいものだ。と内心思いながらも二人の体を揺さぶり、何とか起こす。
「ぬぁによも~、ぐっすりねてたのに~」
「おにーちゃん、あと2時間~」
「亜依さん、もう大学生でしょ! それに舞も、二時間て、どんだけ寝たいんだよ」
「しょーがないよー、私だってつかれてんだから~」
「親父に呼ばれてるんですよ! 早く行きますよ!」
「よし、行こっか!」
「いや、何があった!?」
「親父」という言葉を聞いた亜依さんは即座に立ち上がり、未だ横になって寝息を立てている舞を抱っこする。俺は声を大きくしてツッコむ。
亜依さんは俺の言葉が聞こえていないかのように走って玄関へ向かってしまう。
困惑しつつも亜依さんを誘導しなければならないので、俺も急いで亜依さんのもとにまで走るのだった。
———後書き———
ふう......久しぶりに書いたのでクオリティーが下がっていないことを願うばかりです。
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