第42話 意外と形になるもので。

 文化祭二日前。ようやくご当地ナンバー地図が完成した。

 大きめの地図にナンバープレート写真、ちょっとした解説なんかも入れて、車のナンバープレートという身近なものが、なんだか壮大な感じに仕上がった。

 やってはみるものだ。これで来てくれた人が楽しんでくれると尚嬉しい。


「お疲れさまです」

「これを明日は教室に運び入れたら準備は万端ですね!」

 いやいや、やはり眺めてみると、形になるものなんだなぁ、と感心してしまうもので。明日、展示用パネルに貼り付けたらもっとそれらしく見えるのだろう。


 というわけで翌日。

 大きさが大きさなので四苦八苦しながらパネルに貼り付け、教室で立ててみる。

「おぉ」

 思わず感嘆してしまった。

 入部当初を思い出す。ナンバープレース部と思って入部したあの日。ナンプレ部の正体がナンバープレート部だと知ってかなりの落胆を覚えたと同時、無意識に「何やるんだこの部活」と心の奥底で蔑んでいた気がする。

 先輩方が語るナンバープレートに関する全てのことが、僕の中では世迷い言に過ぎず、やる気を失っていたが……

 ナンバープレートだろうがプレースだろうが、真剣にやれば、それなりの達成感が得られることに変わりはないのだと僕は気づいた。いずれはナンバープレース部に戻すつもりだけど、この個性的で困った先輩方がいる間くらいはナンバープレート部でもいいんじゃないかな、なんて。




 そんなことを考えて、くすりと笑った自分がいた。


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