第36話 ナンバープレートの種類
「……つ、疲れた……」
合宿終わり。もうしばらく勉強したくないってくらいハードスケジュールで勉強をした。飯塚先生、本当に体育の先生か。他教科も詳しすぎだろ。
「あの先生何者なんですか……」
「親バカ教師……侮るなかれ……」
部長が答えになっていない答えを返してくる。だが、その通りだ。
各教科にまんべんなく詳しく、びしばしと厳しいのだが、横道……つまり娘さんの話に逸れると凄まじい。勉強でがりがりHPを削られ、話が逸れないように頑張るのにMPを削るみたいな……今回の合宿はそんな感じだった。
それでぴんぴんして車を運転する飯塚先生の体力って一体どうなっているのか。それとも教えるだけだから疲れないのか? いやまさか。
「夜……だから暗くてナンバープレートも見えない……」
わあ、ここに来てまだナンバープレートの話するんですか部長……見上げたナンバープレート魂ですね。いや、ナンバープレート魂ってなんだ。
そんな僕の虚しいセルフツッコミはさておき、葉月先輩が言う。
「何言ってるんですか、わりと見えますよ?」
そう、夜にだって事故が起こってもいいようにナンバーが照らせるランプがついている。ナンバープレートはいつでも見られるのだ。
「でもランプは見づらいだろう」
それは言えている。特に営業ナンバーなどは見づらい。
「あ、ナンバーが光ってるやつもある!」
翔太先輩はまだわりと元気らしい。窓を覗いている。
「あー、なんとなく緑っぽいですねぇ……」
だらだらと応じる。
「そういえば普通車の数字ってなんとなく黒字って読んじゃいますけど、緑ですよねー。軽は正真正銘黒字ですけど」
「そういえば、白黒反転してるのってどういう……」
「だから白黒じゃないですって」
「センパイ細かいっすね」
いや、ついさっき指摘したばかりじゃないか。
「ノーマルが白緑、軽が黄黒。反転すると営業ナンバーといって、企業で扱っているナンバーになるんですよ」
「さすがセンパイ」
「基本でしょう」
翔太先輩も疲れているのか。
「営業ナンバーって、どうやって登録するんでしょう?」
「確か面倒な手続きがあるんじゃないですっけ」
僕も疲れているのか、あまり浮かばない。いや、浮かばなくて仕方ないか。そこまで調べていないはずだ。知っていたらどんな病気だ。
後日、調べたところ、書類を出すのは確かで、そのための管理部署、管理人が必要とのこと。
確かに面倒だった。
よく見てみると、企業に所属していても営業ナンバーとは限らないことに気づいた。営業ナンバーを使用しているということはそれだけの人員がいるということだ。大企業を見極めるポイントにもなる。
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