205話、巨人の城


「あれ、私って昨日じゃなくて今日テイムしたんだっけ?」


「え、あー…… そうっすね、日付変わってからデキアをテイムしたんすよね」


「じゃああと一回だけ残ってるのか。日付もう変わる?」


「あと五分なのです」


「やべ、じゃあテイム!」


94日目、深夜。

能力が進化して得た分のテイム枠を、日付が変わる前に消化した。

勿論、対象はでっかい巨人。


「うん、でっかいねえ……」


「デカいのう」


魔物情報、見とくか。



ギガンテス。

タイタンの配下として産み出された魔物。

その超巨体を活かした戦い方で、人類を圧倒する。

ドラゴンをペットとして使役したり、ゴーレムを投石として使用したりもする。

基本的には大人しいが、外敵には容赦しない。



タイタンの配下。という事は、ここのボスはタイタンかな?

そのうちガイアとかウラノスとかも出てこないかな。




95日目になった。

そこそこ奥の方まで進んだ気がするが……


「お、あれかのう?」


「なんか見えるっすね。城?」


「おしろなのです!」


奥の奥のほうに、城が見えた。

多分だけど、めちゃくちゃでかい。というか縮尺がおかしい。超巨体用につくられてるんだろう。


城に到着。正門が、もはや首を真上に向けないとテッペンが見えないくらいにでかい。左右もでかすぎ。どうやってあけるの?


「斬るか?」


「ノックするんすよ普通」


なんて言っていると、扉が独りでに開いた。

開き切るまでに数十秒…… でかいからね。待つよ。


開ききった門をくぐる。

そこには、騎士たちが並んでいた。


「壮観ね」


「強そうなのです」


私の後ろにいるギガンテスより一回りくらい大きい巨人が、武具を身につけ、整列している。

ギガンテスナイト、とかそんな感じかな? でも武具つけただけで種族名変わるのって変だよな、今更だけど。


それら騎士たちが、一斉に襲ってきた。

さすがに騎兵はいないが、重装兵が百ほど。さて、どうするか。


「私がやるのです」


「いやいや、ワシがやろう」


「ふたりで半々でいっすよ」


「がんばれー」


マリアとムサシに任せた瞬間。

マリアは霧になり、ムサシは消えた、ように見えた。

次の瞬間、半数がその場で倒れ、半数が上下真っ二つにわかれて倒れた。武具なんて意味なかったんやな。


「抵抗力が高いのです」


「硬いのう」


そんなことをのたまうが。私から見れば雑魚狩りとなにも変わらないんだよな。


さて、歓迎のショーは終わったし、城に入るか。

城の扉まで進み、また自動で開くのを待つ。


……あれ?


「ここは自動ではないようだ」


「紛らわしいな」


おい。みんな恥ずかしそうにしてるだろうが。

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