168話、魔大陸の異変
87日目。
今日もいつもどおり、朝ごはんを食べて街の見回りをして、昼からなにをするか考える。
朝ごはんはフレンチトーストだった。生クリームとアイスが乗って、チョコもかけた超贅沢なやつだ。最高。私この国大好き。
見回りも特にこれといって特筆すべき事はなかった。
ああ、強いて言えば、ムサシが子供達に囲まれてたくらいか。意外に人気あるんだよな。なんでだろ。
「頼みがあるんだ、タキナちゃんよ」
レギオンに呼び出され、開口一番にコレだ。
仕方なく話を聞くところによると、魔大陸で異常事態が起こっているそう。それの解決についてきてほしいという。
「ゼストとか勇者じゃなくて私?」
「ゼストは忙しいし、勇者らは特訓中。タキナちゃんは暇そうにしてるんだから、そりゃあ誰に声をかけるかなんて、ねえ?」
たしかに。私でもそうする。
仕方ないのでお願いをきいてあげることにした。
というわけで、レギオンと共に、地獄迷宮から魔大陸へ移動。
「異常事態ってなに?」
「干ばつだよ。魔大陸は元々、雨の日は少ない。だが降らないわけじゃないし、降る時は結構降るから川なんかも枯れた事はない。それが、最近は雨が無くてね。気温も高いし、川も枯れそうなんだ。はやく対処しないと不味い」
それはまずいな。
しかし、干ばつ。原因が魔物だったら、テイムで解決だけど、単純な異常気象だった場合…… いや、これも私なら解決できるか。魔物生成があるもんな。
「だいたいの原因はわかるの?」
「国民からの聞き取りで、怪しい話はいくつかあったのさ。空が急に暗くなったとか、島が浮いていたとか。普段なら与太話として放っておくような話だけどね」
島が浮いている、ってのは、私らの大陸ではハイランドがあるが。魔大陸にはないのだろうか。
「じゃ、まずは話のあったところに行ってみようか」
「そうさね。……ここから近いね、いくよ」
転移先の近くの村についた。
普通の村だ。
聞き込みによると、井戸と貯水池の水が少なくなってきているという。
巨大ななにかが村の上空を通ったあたりから、少なくなりはじめた気がする、とのこと。
原因はやはり、その上空のなにかだろうか。
片っ端から聞き取っていく。
空のソレをみた村人は多いようだ。
島のような大きさだとか、クジラだったとか、低い唸り声が聞こえたとか。ある老人は、肺の病気が治ったとも。流石にそれは関係ないだろうけど。
「次に通りかかるのをまつか、探しにいくか、ですかねー」
「巨大で空を飛んでるとはいえ、大陸中を探すのは骨が折れるな」
うーん、なにか手段は…… ああ。
探知系の魔法かスキル、使えないかな?
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