158話、魔王カオス
84日目。
今日は、魔王カオスをぶちのめしにいく。
カオスの副官だったアデクも連れていこうと思ったが、目の前で尊敬する人をぶっとばすのはちょっと人としてヤバいと思ったので報告だけに留めておく。
ハイランドも目視できるところまで飛んで来ているので、勇者ライトを討伐するイサムたちと朝のブリーフィングを兼ねた朝食会をした。今朝は野菜多めのハンバーガーとサンドイッチだ。私とイサムはハンバーガー、マナとリン、ゼストはサンドイッチを食べた。マリアは激甘フルーツサンドだ。
「大丈夫だと思うけど、一応三人ともメタスラ持っていっといてね」
「ありがとうございます。神剣の能力も昨日のうちに確認したので、これで安心して向かえます」
神剣、ゼスト曰くチート武器らしい。
剣でのガード時は物理も魔法も無効化、攻撃には神性属性に聖属性、雷属性、火属性が付与され、不死属性無効、精神体、物理体、異界からの干渉体にも攻撃が通り、納刀時でも込められた神気が持ち主とそのパーティを守るという。そして、魔力をこめると延伸する。ロマン込み込み。やりすぎでは?
「私もそういうのほしいな」
「……使わないでしょう」
たしかにつかわない。アダマン・ソードゴーレムも使ってない。可哀想に。
さて、地獄迷宮に向かう。
共に向かうのは、マリアだ。
「影に潜めるのは便利よね」
「タキナが爆走するのについていくのにはとても便利なのです」
振り落とされることもなく、揺れることもない。便利だな。影に潜む魔物居たかな? ……いや、私が影に潜んでも仕方ないか。
「今日はどれつくろうかな」
「キラキラするのです?」
「いや、いいかな」
光ってスライム化してメタル化して空飛んで爆走するのはもう人間要素ないでしょ。……もう遅いか?
地獄迷宮に到着。入口には、レギオンの分体がいた。
「十九層までは私が連れていくよ。観戦もしていいかい?」
そうか、私だけじゃ十九層にいけないんだった。忘れてた。
「観戦も共闘もいいですよ?」
「共闘は……今回はいい。見ながら菓子でも食べとくよ」
そんなに楽しいものにならんと思うけどね。
迷宮に潜る。
十九層は、研究施設のような空間だった。
広い空間に、数多くのロボットらしきものが徘徊している。
奥まで歩いていく。
道中のロボットは、全てマリアが始末してくれた。マリアの出す霧に触れた側から力を失い崩れていく。何度見ても怖いな。
奥にあった扉をくぐり、次のエリアへ。それを、数度。
ボスエリアに到達。
中央に、椅子に座る美少女を発見。あれが、魔王カオスか。……魔王はみんな美少女なのね。
「来たか……レギオン、この方達を紹介してくれないかね」
「あんたから名乗りな」
「それもそうか。……我が名はカオス。魔王にして、エリス様の配下。そして、世界最高の研究者だ。短い間だが、よろしくたのむよ」
魔王カオス。
白衣らしき衣装に、黒縁のメガネ。
典型的な、研究者の出立ちだな。
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