157話、オートマトン
83日目、夜。
今日もまた、迷宮からの緊急連絡が入った。
アビスの迷宮、七層にて、未知の魔物が発見されたという。
二層と七層、変なの生まれやすいんかな。
というわけで出動。今日の分のテイムでなんとか解決しよう。
アビスの迷宮、七層。
ここは坑道のある階層だ。坑道がある大きな山があり、そこ以外はなにもない。
坑道にはゴーレムが湧く。坑道外では魔物の姿を見ない。稀に、イレギュラーとして発生する事もあるが。
今回は、坑道内にイレギュラーが発生したようだ。
目指すはボスエリア。
ボスエリアまでは何事もなく進んだ。魔物の出現もほとんど無かった。全部私の魔物に狩られているな。
「さて、未知の魔物とは……おっ」
ボスエリアに、ひとつ立っているものがある。
人型。人形か? 人間では絶対にない。顔もないし、体表にメタルの光沢がある。
「はいテイム。さて……なにものだろうか」
魔物情報を見る。
マジカルオートマトン・マジックアダマンタイト。
魔動人形。分類上は魔物。
AIによる自由意思をもつ。魔物だが、基本的には生き物に友好的。古い時代の遺跡などで発掘される事があるため、古代技術によるものと思われているが、真偽は定かでない。
体組織のほとんどは魔法鉄などの魔法化された金属であり、魔法無効化をもち、個体により得意な魔法を持つことが多い。
これって。ハヤトに預けたほうがいいやつでは? あの人の夢ってこれに近いのでは。見た目は……全然、人じゃないけど。なんとかするだろう。
そういえばそろそろハヤトもドーグも帰ってくるだろう。コレ、二人とも喜びそうだな。
街に戻り、今日の魔物生成を何にするか考える。
今日も食べる前提だ。
今のところ、メタスラちゃん、馬ちゃん、ドラゴスライムを食べている。
他の候補としては…… ファントムマーメイドで海に適応する、リッチ・クリエイターでアンデッド生成を手に入れる、セイント・エルダー・リッチで回復を手に入れる、カイザートロルで近接戦闘力を手に入れる、テセウスゴーレムで……いや、これは怖いからやめておこう。
……よし、今日はファントムマーメイドにしておこう。
「魔物生成、ファントムマーメイド。よし、ぱっくんちょ」
腕をスライム化し、ぱくりと一口。
うーん、肉と魚の間の味がする。醤油もほしかった。
そういえば、人魚を食べると不死になるって噂もあったな。前世の噂だし、そもそも神になったら不老不死になるだろう。関係ないな。
「うーん、変化は……海にいかないとわからないか。ま、当分いいや」
海に適応できたからって、特に意味もないのだが。一応、気と聖気とで海には入れるし。
さて、今日やることは済んだ。
明日は……やることがあるからな。早めに寝よう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます