156話、神域とは


神が四柱集まる聖域、って事になるがそれは問題ないのだろうか?


「神域というのは、いうなれば通信本部だ。世界各地にそれぞれの神の神殿、支部が展開されるだろう。神父なり神子へのお告げなどは、神域内のそれぞれの神殿から行える」


それなら、とりあえず神域内に四人分の神殿をつくれば、神としての仕事は問題なさそうかな?


「たのしそうなのです」


「人間、魔族、人族の神殿はわかる。が、魔物のための神殿とはどういうものなんだ?」


たしかに。魔物に神殿なんかいるのか?


「魔物に神殿は無い。かわりに、迷宮がある。タキナ、お前は神になれば迷宮を創り出せるようになる」


すげーじゃん。迷宮を創れる。

でも、つくってどないすんのって気持ちもある。いや、ひとつくらいはつくってみたいけど。


「迷宮をつくれるという事は、魔物を生成できるということ。生成しても操れるわけではないが」


つまり、自分で生成して自分でテイムは出来るということだ。楽しくなりそうだ。


「さて、話はひとまず終わりだ。……食事の用意があるが、いかがだろう」


「おなかすいたのです! 甘いものが食べたいのです」


「おお、おお。そうかそうか。甘いスイーツをつくらせよう。まっておれ」


じいちゃん、曾孫に甘すぎだぞ……




昨日より気合いの入った食事を戴き、それから手土産のスイーツをいただき、無限庫からアグニ王国名産のフルーツのお酒をお礼として渡して、街に帰った。

今回は、聖騎士のリンさんも連れて帰る。


声と感情が欠落していると言われていたが、話しかければ反応するし、表情や態度にでないだけで嫌なものは嫌という反応をする。スラちゃんに相対して腰を抜かすこともできた。できた、と言っていいのか。


「明日には、ハイランドがこの辺りを通るだろう。都合がいいな」


ゼストが教えてくれた。


「なんでハイランドの軌道がわかるの?」


「前回来た日から数えてるだけだ。一日ズレたりもするが、今回は遠目で見て間違いはなかった」


なるほど、そういうことか。


「つまり、明日には俺とマナとリンでハイランドに乗り込むんですね。……大丈夫かな」


「ステータス貸与で、私の防御力を一割ずつわけておくね」


「タキナさんの一割って、ここにいる魔物全員の合計防御力に五割増してからの一割だからな……莫大すぎる……」


そうだよね、明らかに防御力高い魔物も多いし、そう考えるとえげつない。


「じゃ、私は明日は地獄迷宮か。久しぶりな気がするなあ」


「私もついていくのです!」


というわけで、明日はハイランドと地獄迷宮の同時急襲作戦だ。

十九層で魔王カオスを倒す。強い魔物を従えてるらしいから、それをテイムして即終了かな?

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