152話、新しい食材


マジで見たことない野菜や果物の数々を楽しんで、それから一休みさせてもらい、ヒナの復帰をまって城を出た。

種は帰ったらエルフたちに預けよう。ほんとに美味しかったので、育つのが楽しみである。ただ、いくつかの種類が発光してるのだけはちょっとどうにかしたい。眩しいほどではないが、夜とかになにかの妨げにならなきゃいいけど。


「ま、育ったら食えるっすからね。それまで我慢するっすよ」


城で食べられなかったヒナはあまり気にした様子はない。たしかにこれらは、肉や魚などと一緒に料理したほうが我々の口にあうだろう。楽しみだ。


夕方になる前に街に戻り、イサム、マナ、ゼスト、マリアに話をする。とりあえず明日ついてこい、とだけ。詳しい話は無しだ。イサムとマナにだけは、聖騎士のリンがいると伝えておいた。アヤの居場所もわかる、と。めちゃくちゃ喜んでた。そりゃそうか。私も嬉しいよ。


「結局、私はなんのために着いてったんすかねー」


「そういうこともあるよね。ていうか、獣人王の娘ってマジ?」


精霊王が言っていた事がちょっとだけ気になっていた。


「あー、父親はそうらしいんすけどね、母親がワケアリで……あんまり表で言いづらい身分なんすよ。ま、特級になっちゃったんで、名前は広まっちゃったんすけどね」


複雑な家庭なんだな。詳しくは興味ないので聞かないが。今が楽しそうならそれでいい。




今日の分のテイムはどうしようか、魔物生成はドラゴスライムでいいのか。考えていると、アビスの迷宮から帰ってきた魔物から緊急の要請がはいった。

また、二層に特殊な魔物が現れたという。ゴールデンホルスタインにミスリルカウ、二層は特殊個体が生まれやすいのか。



迷宮二層。懐かしき草原地帯だ。魔物の姿は見えない。スポーンする度に私の魔物が狩り尽くしているようだ。遠くにいけばまだまだ居るらしいが、用事がない限りは私は行かないだろう。

魔物の案内で進む。どんな魔物なのか尋ねると、なんというか、デカいイメージが伝わってきた。デカい、羽毛の……なんだろう。


程なくして、それを見つけられた。

見たらわかる。ニワトリだ。

ただ、デカい。本当にでかい。ロックドラゴンくらいデカい。馬鹿げてるだろ……

テイム、してもいいが、してどうする? 卵を産むのなら、と思ったが、このサイズで卵を産まれても困る。街の全員に一日一回卵料理を義務付けることになってしまう。飼料もバカにならないだろうし……


「さすがに、処分かな……」


そう呟いた瞬間。


「コケコー!!」


「う、うわぁぁぁ!」


私は爆音に吹き飛ばされた。

よし……こいつは戦闘要員にしよう。卵は巨獣たちのエサだ。最悪、スラちゃんが食べてくれる。


「はいテイム! 静かに! よろしくね!」


「こ、こけっ」


それで静かに鳴いてるつもりか。喉に拡声器積んでんのかい。

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